勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命 / The Zookeeper's Wife

2017年12月17日 | 洋画(その他)
事実を下にした作品。

第二次大戦時、ナチスに追われたユダヤ人をワルシャワ動物園の園長をしている夫とともに、動物園で匿った女性の姿を描く。

ナチスからユダヤ人を救った人物って、たくさんいるんですねぇ。今回のジャビンスキ夫妻も、そのような人物に名を連ねます。不勉強ですが、この映画を見るまで、彼らの活躍は知りませんでした。

それにしても、ナチスの裏のかき方、と言うか、このジャビンスキ夫妻とナチスの近さは、他の人たちと比べても一二を争うのではないでしょうか?ナチスの高官が、元々友人であったと言う事もあって、何かとちょっかいを出してくる状況の下での活動の緊張は、如何ばかりか。いやぁ、5年?、よくバレなかったと思います。

それにしても、ダニエル・ブリュール、彼は芸達者ですねぇ。今回は、ナチスの高官を演じたわけですが、明示的に権力を笠に着る訳ではないものの、それも権力を漂わせる人物を上手く演じていました。アントニーナに目を奪われていなければ、もっと早く、からくりを見破る事が出来たのではないかと思います。それだけ上手く、アントニーナが手玉に取ったとも言えるのかもしれませんが。

冷静に考えてみると、ポーランドでの話なので、話されるべき言語はポーランド語なのでは無いかと思いますが、英語での作品でした。そのかわりと言うべきなのか、みんな妙な訛りのある英語でした(苦笑)

普通の夫婦の、勇敢な戦いです。

タイトル ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命 / 原題 The Zookeeper's Wife

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2017年/チェコ・イギリス・アメリカ
監督 ニキ・カーロ
原作 ダイアン・アッカーマン『ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語』
出演 ジェシカ・チャステイン(アントニーナ・ジャビンスキ)、ダニエル・ブリュール(ルッツ・ヘック)、ヨハン・ヘルデンベルグ(ヤン・ジャビンスキ)

スター・ウォーズ 最後のジェダイ / Star Wars: The Last Jedi

2017年12月17日 | 洋画(アメリカ系)
レイが主人公のシリーズ第二弾。スター・ウォーズシリーズ的には、エピソード8になります。

前作の『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が“アレ”だったので、今作については正直期待していませんでした。し・か・し、良くも悪くも裏切られましたね。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』から、創始者(?)のジョージ・ルーカスの手を離れてしまった、このスター・ウォーズですが、二作目にして、これまでの蓄積を、登場人物的にも、物語の世界観的にもすべて放逐した感じです。

いやね、そもそも“フォース”と言うものが、ある種ファンタジー的な要素を持っていたことは否定しませんが、この作品によって、完全にファンタジーになってしまった感じがします。なんなのか?空間を超えたコミュニケーションは?

それと、確かにフォースは肉体の存在を超越した存在と言えるのかもしれませんが、本当に超越してしまうって、どういう事よ。オビ・ワンとか、ヨーダとか、確かに肉体を超越した描写がこれまでもありましたが、今回のルークは違うんじゃないかなぁ。ちょっと、釈然としませんでした。

それと、なんか、これまで以上にアジアを感じる映像でした。すわ「中国マネーの威力か!!」と思ったのですが、ローズ・ティコを演じたケリー・マリー・トランは、ヴェトナム系でした。彼女、いい味出していましたね。

なにやら着ぐるみで演じられた最高指導者はアンディー・サーキスだったのですが、彼は、猿の惑星でも猿を演じており、アンディー・サーキスは、もはや着ぐるみ界の第一人者となってしまったのでしょうかね?

既にディズニーから、スター・ウォーズ新シリーズが3作制作されることは発表されています。今回の作品から、ジョージ・ルーカス時代のレガシーを活かしつつ、全く異なるスター・ウォーズになっていく事が、高らかに宣言されたような気がします。古き良きスター・ウォーズから、新時代へのスター・ウォーズへ。悲しいような、楽しみなような。

でもなぁ、たぶん、限界があるんだよねぇ。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』の時も思い、今回も感じたんですが、“破壊できるのは創業者だけ。後継者は、続けるしかない”と言う事。創業者ならば、誰にも遠慮することなく破壊することが出来ますが、後継者は創業者の遺産を活かして行かなければならないので、破壊する事は出来ないんですよねぇ。それが、何か『むかし見た感じ』と言う印象をぬぐい切れない、ルーカス後のスター・ウォーズの悩み・限界だと思います。

最後になりますが、キャリー・フィッシャー永遠なれ。

タイトル スター・ウォーズ 最後のジェダイ / 原題 Star Wars: The Last Jedi

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 ライアン・ジョンソン
出演 デイジー・リドリー(レイ)、ジョン・ボヤーガ(フィン)、アダム・ドライバー(カイロ・レン)、オスカー・アイザック(ポー・ダメロン)、マーク・ハミル(ルーク・スカイウォーカー)、キャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ)、ルピタ・ニョンゴ(マズ・カナタ)、アンディ・サーキス(最高指導者スノーク)、ドーナル・グリーソン(ハックス将軍)、アンソニー・ダニエルズ(C-3PO)、グウェンドリン・クリスティー(キャプテン・ファズマ)、ケリー・マリー・トラン(ローズ・ティコ)、ローラ・ダーン(アミリン・ホルドー中将)、ベニチオ・デル・トロ(DJ)