川天使空間

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思い出をレスキューせよ! ”記憶をつなぐ”被災地の紙本・書籍保存修復士 堀米薫 くもん出版

2014年03月07日 05時19分47秒 | 創作・本の紹介
堀米薫さまのノンフィクション新刊です。
「思い出をレスキュ-」のタイトル、かっこいい!

「紙が持つ力」をこんなに強く意識できたご本はない、と断言できます。
震災の津波で痛んだ写真や本を修復している、大船渡市の金野聡子(きんの・さとこ)さんの活躍が書かれています。
英国で学び、「紙本(しほん)・書籍保存修復士」「製本家」の資格を取った金野さん。
世界レベルの修復技術が、まさに「記憶をレスキュー」してる様子が感動的。

いえ、修復ではなく「治療」と言います。
一年がかりで一冊の本を治療することもあるメスなど一式を見ると、手術室に並べられた器具のようで。
「道具」を大切に扱ってこそ、丁寧な治療ができることも学ばせてもらいました。
本が傷んでも、セロハンテープで留めるのはダメだったんですね。
ケシゴムをすり下ろした細かい粒を指でこすって、汚れを取ることもあるんですね。
「おかえりプロジェクト」って、いいな。

写真のゼラチンが腐敗しないよう冷凍庫が必要とか、なかなか気付きません。
砂と泥で覆われたアルバムから、金野さんのご両親の結婚式の写真が現れた時、どんなに感動されたことでしょう。

津波の時に山の方で聞こえた、バーン、バーンという音。
その場にいた人にしかわからない音に、胸をつかれました。
津波で流された家が山に当たって壊れる音だったなんて。

救い出された写真が、バラバラになった被災者のつながりを結び直す。
「洗浄写真返却中」の文字に、その様子が目に見えるようで。
返却率90%はすごい!

堀米さま、この記録は世界の記憶に残る記録と思います!
ますますのご活躍を!

昨日は朝日新聞の地元記者さんが取材に見えた。
他の事件の取材で遅くなってしまって、紙芝居と本を渡しただけで切り上げて。
来週また取材予定。
紙芝居や「心といのちを守る5つの童話」がらみの小児科医的仕事が、じわじわ増えてきたような。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)

コメント (4)
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