一丁目から〇丁目までの全十巻。
--あたりまえの明日は、もう約束されない……。
あなたに起こるかもしれない 奇妙な物語。--
とある、奇妙なお話のアンソロジー。
全部読んで、どこか懐かしい、足が地面から浮いたままみたいな、奇妙な感覚に包まれていた。
こんな感覚、ついちょっと前にもあったような…。
そうだ、夢。自分の夢の中。
奇妙な展開があっても、妙に納得しちゃうような、そんな世界。
ひきずりこまれてください、あなたも。
「友だちだよね?」 時海結以
受験のストレスでやつれていた幼なじみのガリに、友だちだよねと、手をさしのべる鷹也。
ガリが放火犯?と心を痛める鷹也なのに、放火犯は鷹也とガリが警察に言ったと伝え聞き…警察に追いかけられ思わず逃げだし…
おしまいまで読んでタイトルを見ると、ぞくりとこわい。
「ころがる玉のその先」河合二湖
朝起きて、「ここはどこ?」と思う怖さ。
辛い時間を封印してしまう本能が人間にはあると思う。
だから、記憶が飛んじゃっても…と思うから、こんなのもありかもと、すっと入り込める。
人間の意識は記憶でできているんだよな、と、ふと思った。
「天満宮のなで牛」国松俊英
中学生のワタルが天満宮の牛の銅像を撫でたら、牛が笑って、背の梅の紋がぱかっと開いて中に手紙が。
女子中学生のものらしいその手紙に、ワタルは返事を書いてまた天満宮の牛の中に入れた。
女の子とは三年ほど時間がずれている。
そして女子高校生が自転車事故にあう場面に遭遇し、その女の子がかの中学生で…
めくるめく時間の倒錯。
「あいたた横丁」高橋秀雄
浩平は一人でバスに乗って塾に行く。
社宅アパートの塾仲間の道仁も大輝も、親が張り合って車で塾通いすることになったから。
つまらないからバスを降りて歩数を数えていたら、飲み屋の路地のほうから、たこ焼きの匂いが。
たこ焼き屋さんなんかないのに。
翌日、どきどきして歩いて顔を上げたら、「あいた○横丁」の看板とたこ焼きの匂い。
そして、「まるで神経衰弱のカードをひらいたように」路地に見知ったお店が現れる…。
これぞ迷宮、夢の世界だよなと思った。
「十二ページ目の少年」藤江じゅん
だれもいない地下鉄のホーム。
お見舞いの大学病院へと導く大きな赤い矢印の方向へ歩くと、オレンジ色の服を着た男の子。
その子を追って入った古本屋に、子どもの頃大好きだった絵本が。
小二の頃の大親友で今は離れてしまったユキちゃんと読んだその本を買って病院へ。
病院にはなんとユキちゃんが入院していた…。
本の中の絵と現実がつながって、くらっときた。
編集は、石井睦美、加藤純子、田部智子、最上一平の4氏。
これ、すばらしいです!
本を読む醍醐味のひとつに、こういう浮遊感を感じたいって、ぜったいあると思います。
ひでじぃさま、すばらしいご本をありがとうございました!
読んで感動して、さて書かなくちゃ。
外来はまだインフルエンザがピーク状態を保っているのはなんでだろ。
今日は夜間診療所当番。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)
--あたりまえの明日は、もう約束されない……。
あなたに起こるかもしれない 奇妙な物語。--
とある、奇妙なお話のアンソロジー。
全部読んで、どこか懐かしい、足が地面から浮いたままみたいな、奇妙な感覚に包まれていた。
こんな感覚、ついちょっと前にもあったような…。
そうだ、夢。自分の夢の中。
奇妙な展開があっても、妙に納得しちゃうような、そんな世界。
ひきずりこまれてください、あなたも。
「友だちだよね?」 時海結以
受験のストレスでやつれていた幼なじみのガリに、友だちだよねと、手をさしのべる鷹也。
ガリが放火犯?と心を痛める鷹也なのに、放火犯は鷹也とガリが警察に言ったと伝え聞き…警察に追いかけられ思わず逃げだし…
おしまいまで読んでタイトルを見ると、ぞくりとこわい。
「ころがる玉のその先」河合二湖
朝起きて、「ここはどこ?」と思う怖さ。
辛い時間を封印してしまう本能が人間にはあると思う。
だから、記憶が飛んじゃっても…と思うから、こんなのもありかもと、すっと入り込める。
人間の意識は記憶でできているんだよな、と、ふと思った。
「天満宮のなで牛」国松俊英
中学生のワタルが天満宮の牛の銅像を撫でたら、牛が笑って、背の梅の紋がぱかっと開いて中に手紙が。
女子中学生のものらしいその手紙に、ワタルは返事を書いてまた天満宮の牛の中に入れた。
女の子とは三年ほど時間がずれている。
そして女子高校生が自転車事故にあう場面に遭遇し、その女の子がかの中学生で…
めくるめく時間の倒錯。
「あいたた横丁」高橋秀雄
浩平は一人でバスに乗って塾に行く。
社宅アパートの塾仲間の道仁も大輝も、親が張り合って車で塾通いすることになったから。
つまらないからバスを降りて歩数を数えていたら、飲み屋の路地のほうから、たこ焼きの匂いが。
たこ焼き屋さんなんかないのに。
翌日、どきどきして歩いて顔を上げたら、「あいた○横丁」の看板とたこ焼きの匂い。
そして、「まるで神経衰弱のカードをひらいたように」路地に見知ったお店が現れる…。
これぞ迷宮、夢の世界だよなと思った。
「十二ページ目の少年」藤江じゅん
だれもいない地下鉄のホーム。
お見舞いの大学病院へと導く大きな赤い矢印の方向へ歩くと、オレンジ色の服を着た男の子。
その子を追って入った古本屋に、子どもの頃大好きだった絵本が。
小二の頃の大親友で今は離れてしまったユキちゃんと読んだその本を買って病院へ。
病院にはなんとユキちゃんが入院していた…。
本の中の絵と現実がつながって、くらっときた。
編集は、石井睦美、加藤純子、田部智子、最上一平の4氏。
これ、すばらしいです!
本を読む醍醐味のひとつに、こういう浮遊感を感じたいって、ぜったいあると思います。
ひでじぃさま、すばらしいご本をありがとうございました!
読んで感動して、さて書かなくちゃ。
外来はまだインフルエンザがピーク状態を保っているのはなんでだろ。
今日は夜間診療所当番。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)