久保田香里さまの新刊、読み終えて、はあっとため息が出た。
なんてすてきな、色の世界。
千年の時を経た色とりどりの絹たちが、今も頭の中でゆれている。
平安時代。
小野宮の右大臣の日記「小右記」に書かれた藤原道長の有名な歌。
「この世をばわが世と思う望月のかけたることもなしと思へば」
この小野宮の右大臣の姫君・千古(ちふる)は、ひかりかがやく姫-かぐや姫とよばれていた。
十三歳の千古は、裳着(おとなの女性が腰に長く伸ばしてつける「裳」をはじめて身につける成人の儀式)を前にしてふさぎこんでいた。
千古を元気づけたのは「かさねの色目」。
絹の色をうまく重ねることで、「撫子の襲(かさね)」「紫苑の襲」…などなどイメージを表現することができる。
源氏物語の一場面を、女童たちに着せた色の襲で物語のようにあらわしたり。
さらには「染め」にも興味を持ち、元気を取りもどした千古は、こっそり染めの工房にも……。
大好きなところに付箋をつけていたら、本が厚くなってしまった(笑)。
いいなあ「かさねの色目」。いいなあ「草木染め」。
そして久保田さまの文章、最高だな。
「草も木も、それぞれの色をうちに秘めて、とりだしてもらうのを待っているのです」
はかない恋が破れるところも胸キュンだし、ラストの「月光の襲」は圧巻だった。
まるまる三日間かけて読み上げたこの本。
自分も「色」が好きなんだと教えてくれたこの本。
ほんとうにすばらしかったです。
久保田香里さま、ますますのご健筆を!
コロナ療養8日目。
熱は出ないが、本を読んでドキドキすると心拍が上がるなあ。
やっぱり読書は一番の趣味かも。
今朝の抗原検査も薄いがまだ陽性だった。
ちょっと咳が出てきている。まだまだ自重せねば。
症状軽快すれば日数的には7日を過ぎ、今日から療養解除だが、まだちょっとダメだな。
「8-10日の時期に濃厚接触」が増えたはずなので、今東京で微増しているのはこの影響かもね。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)