川天使空間

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『千に染める古の色』 久保田香里・作 紫昏たう・絵 アリス館

2022年10月14日 05時06分10秒 | 創作・本の紹介
久保田香里さまの新刊、読み終えて、はあっとため息が出た。
なんてすてきな、色の世界。
千年の時を経た色とりどりの絹たちが、今も頭の中でゆれている。

 平安時代。
 小野宮の右大臣の日記「小右記」に書かれた藤原道長の有名な歌。
 「この世をばわが世と思う望月のかけたることもなしと思へば」
 この小野宮の右大臣の姫君・千古(ちふる)は、ひかりかがやく姫-かぐや姫とよばれていた。
 十三歳の千古は、裳着(おとなの女性が腰に長く伸ばしてつける「裳」をはじめて身につける成人の儀式)を前にしてふさぎこんでいた。
 千古を元気づけたのは「かさねの色目」。
 絹の色をうまく重ねることで、「撫子の襲(かさね)」「紫苑の襲」…などなどイメージを表現することができる。
 源氏物語の一場面を、女童たちに着せた色の襲で物語のようにあらわしたり。
 さらには「染め」にも興味を持ち、元気を取りもどした千古は、こっそり染めの工房にも……。

大好きなところに付箋をつけていたら、本が厚くなってしまった(笑)。



いいなあ「かさねの色目」。いいなあ「草木染め」。
そして久保田さまの文章、最高だな。
「草も木も、それぞれの色をうちに秘めて、とりだしてもらうのを待っているのです」

はかない恋が破れるところも胸キュンだし、ラストの「月光の襲」は圧巻だった。
まるまる三日間かけて読み上げたこの本。
自分も「色」が好きなんだと教えてくれたこの本。
ほんとうにすばらしかったです。

久保田香里さま、ますますのご健筆を!

コロナ療養8日目。
熱は出ないが、本を読んでドキドキすると心拍が上がるなあ。
やっぱり読書は一番の趣味かも。
今朝の抗原検査も薄いがまだ陽性だった。
ちょっと咳が出てきている。まだまだ自重せねば。
症状軽快すれば日数的には7日を過ぎ、今日から療養解除だが、まだちょっとダメだな。
「8-10日の時期に濃厚接触」が増えたはずなので、今東京で微増しているのはこの影響かもね。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント
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