工藤純子さまのリトル☆バレリーナ、第3巻。
その前に、第2巻のレビューを。
(「季節風」に書いた書評より抜粋 )
4年生のココにとって、はじめてのバレエ発表会。
幼なじみのカナトと仲直りし、自分は優しくないと落ち込むマリアちゃんを勇気づけ、
ココは発表会に挑む。そして、元気の精の役をやりきった。夢に向かう次のステップとは?
可愛い。読みやすい。なりきれる。
「足を180度に開きゃくしたまま、上半身をぺたっとゆかにつけてねむっていた」とか、
「羽みたいに、軽やかに」など、イメージしながら読んでいると自分もレッスンしている体性感覚があり、
やりきった感に浸れた。本当は自分自身で苦労してやりきらなくちゃ脳内の元気玉はできないけど、
「バレエ元気玉」の輪郭くらいはできるかも。
「お母さんが、チュチュを、ぱっと持ちあげる。チュール、サテン、オーガンジー
なんかを何枚も重ねたチュチュが、ふわっと広がる」なんて、
読んだ女の子(自分の中の大昔の女の子も)の顔がぱあっと笑顔になるのが見えるよう。
「大きなかがみの前で、くるりと一回転した。すると、魔法がかかったみたいに、妖精があらわれた。
わあ……。バレエって、魔法みたい! あたしを妖精にかえてくれた」って、工藤純子氏の魔法だな、ほんと。
第3巻のタイトルは、「夢みる舞台と、トウシューズ」
学年が上がっただけではトウシューズを履けない。
マリアちゃんは4年生ですぐ履けたのに、ココはまだだった。
アスカ先生に「次のステップに行きましょう」と言われたココ。
それは、トウシューズを履くということだった。
注文したトウシューズを受け取りに、友だちのヒナと一緒にバレエショップへ。
つま先で立つことを「ポワント」という。ついにポワントデビューだ。
お店にあったロシアのバレエ団による「ドン・キホーテ」公演ポスター。
そのエキストラとして踊ることになったココたち。
トウシューズで練習(ポワントレッスン)すると足にマメが出たり出血したり。
マリアちゃんは「プロになったって、マメくらいできるんだから」と教えてくれる。
バレエ「ドン・キホーテ」のヒロイン、キトリ役のマチルダさんのバレエに圧倒されるココ。
マチルダさんはココに「またね、リトル・バレリーナ」と言ってくれた。
ルイ君は「みんな、はじめは小さなバレリーナだから」と。
いつか世界に羽ばたきたいとココは思った……。
本の中のキラキラは、なかなか文字では伝えられない。
読んだ子はぜったい、ココのように「羽ばたきたい」と思うはず。
このあと、ココのママがイギリスの友人から一緒に働こうと誘われ、
ココはどうなるのか、次巻が待ち遠しくなる展開で。
楽しみに待っている子どもたちに向けて、サインまでいただいてしまった。
工藤純子さま、この素敵なご本、療育センターの子どもたちに届けますね!
児童文学を読んだあとは前向きになりたい。
加えて、楽しい、キラキラした空気を感じられたら最高。
私もこんなご本を書いてみたいと切に思ったのだった。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)