かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

22年以上の時を経た南蔵王縦走

2022-06-14 19:13:18 | 日記

この土曜日、雨のため、またもや山形蔵王古道の歩みを断念したが、予約していた蔵王温泉のいつもの宿に宿泊し、次の日、22年以上の時を経て南蔵王の山々を歩いた。そして、記憶にしたがうと南蔵王の一方通行による縦走は地元の山でありながら初めてではなかったか。

オイラは2001年春に沖縄勤務のために車を処分し、その後内地に戻ってからも車を所有していないし、レンタカーを借りてまで南蔵王に行こうという気にもならなかった。その辺を推し量ると少なくとも西暦2000年以降は、南蔵王(刈田峠~不忘山)の山々には足を踏み入れていないことになる。

2000年以前の車で山に出かけていた時代、七ヶ宿の硯石キャンプ場や白石スキー場を起点として不忘山や水引入道は何度か歩いたし、刈田岳山頂直下の刈田峠に車を止めて芝草平に花の撮影に出かけたりしていたが、遠くても屏風岳を往復するぐらいであったか。それでも、近隣の山域としては南蔵王に足繁く通った方だろうが、マイカーの弊害か一方通行的な縦走は未経験であった。

そして、今回の南蔵王縦走だが、蔵王温泉から標高1700ほどの地蔵岳にロープウェイで一気に上がれば楽ちんに歩けるだろうという計画が少し甘かった。大いに反省したい。

地図上の標準タイムは、地蔵岳から不忘山のふもと硯石まで7時間30分、そこから七ヶ宿公営バスのバス停「長老湖東」まで30分。あわせて、標準タイム8時間、17時のゴールとなるのだが、その最終バス時刻が17時02分であったので、標準タイム以下で歩かないと間に合わない。

50代ころのオイラには「へのカッパ」であったろうが、加齢とトレーニング不足による体力低下に加え、右肩にカメラ、左手に双眼鏡という「ウォッチングスタイル」では、花や鳥に出くわすたびに足を止めるのであり、標準タイムでの踏破にブレーキをもたらす要因となる。

案の定、最終山頂の不忘山の三角点をなでたのは、14時45分、標準タイムでバス停まであと2時間半だから最終バスには間に合わない状況となっていた。

ここから、靴ひもをきつく締めなおし、無我夢中で下った。森林限界まで、火山性のザレ道でスピードが一向に上がらなかったが、エゾハルゼミの合唱する森に入り、傾斜が緩くなる場所では、数年前までのトレランで行ったような小走りとなったが、耳に「コルリ」、「クロジ」、「クロツグミ」や名を知らぬ鳥の声が入るや足を止めて耳を澄ます癖が出てしまった。(ヒッチハイクで七ヶ宿に行こうか内心覚悟した)

それでも久しぶりの本気度のおかげで、「公民館」というバス停には、なんとか数分前に辿り着いて無事に帰ることができた。

忙しく歩いたせいで、出会ったお花、野鳥、チョウを満足に観察することができなかった。不忘山北面の稜線はもうハクサンイチゲをはじめとするお花畑が広がっていたし、屏風の尾根には、アズマシャクナゲの濃いピンクがあちこち花をほころばせていた。

初夏の稜線歩き、蔵王山域で南蔵王がいちばん快適で美しい花たちに出会えるエリアなのだろう。月曜日にかかわらず大勢の登山者と出会った。大半が曜日を気にすることのない高齢者だが、ほとんどが刈田峠から不忘山を往復するマイカー派なのであろう。

気がついたら、この20数年で南蔵王のふもとや山上の環境も変化した。

まず、アクセスのためのバス路線、白石駅から硯石や白石スキー場の路線が廃止された。赤字のミヤコーバスが撤退したのだろう。そのかわり、バス停まで少し歩かねばならないが白石市民バスや七ヶ宿公営バスが走るるようになっていた。あくまで過疎集落の住民サービスであろうが、部外者も安価に利用できるのはありがたい。七ヶ宿公営バス、長老湖から七ヶ宿町内まで所要時間35分で200円、七ヶ宿町内から白石駅まで所要時間45分で200円、乗客はオイラだけだった。もう申し訳なくて、今度乗るのが憚られる次第。

硯石にあったキャンプ場が2004年に廃止されていた。家族が最後にキャンプをした思い出の場所。

刈田岳南面などの宮城県側もアオモリトドマツの立ち枯れが目立った。

芝草平が、植生保護のためロープが張られ立ち入り禁止となっていた。

登山道が侵食し、悪路となっている箇所があったと思うが、階段などで整備され歩きやすくなっていた。

などなど、隔世の感があり諸行無常というほかないが、何度もそこに立った不忘山山頂は当時の面影のままだったのは幸いせあった。(数分しかいられなかったが)

アクセスも悪く、年齢とウォッチング癖を考えると、もう今回のようないそがしい縦走を行うことはあるまい。また、不忘山や水引入道の周回というのもアクセスやキャンプ地がなくなった現状では困難だろう。

すると、南蔵王・・・歩く機会はなかなかやってこないかも・・・・少しさみしい。

 

   

        立ち枯れのアオモリトドマツの向こうに南蔵王のたおやかな稜線

 

   

          アズマシャクナゲ匂う屏風岳の稜線

 

   

            孤高の姿をみせる不忘山

 

 

【この日出会った仲間たち】

 

刈田岳のセキレイ科タヒバリ属ビンズイさん

杉ヶ峰のユキノシタ科ズダヤクシュさん

杉ヶ峰のキンポウゲ科ミツバオウレンさん

 

杉ヶ峰のツツジ科コヨウラクツツジさん

杉ヶ峰のカエデ科オオミネカエデさん

杉ヶ峰のバラ科ミヤマキンバイさん

 

杉ヶ峰山頂でパートーナーをまつキアゲハさん(♂♀不明)

 

屏風岳のアズマシャクナゲさん

     

 

芝草平付近のバラ科チングルマさん

 

不忘山のシラネアオイ科シラネアオイさん

 

不忘山のサクラソウ科ユキワリコザクラさん

 

不忘山のキンポウゲ科ハクサンイチゲさん

いっぱいいっぱい咲いていたが、ごめん時間がなかったよ

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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