宮城蔵王古道の大黒天ポイントから賽の河原までの背丈の低い針葉樹や広葉樹の混合林内を歩いているときに特徴のあるリズムのさえずりが聞こえてきた。
「ホーイ・チンチンチン」と一定のリズムを繰り返す。
姿を認めようと、しばらく立ち尽くすがかなわず。歩みを進めたところ、ほんの一瞬高い枝から舞い降り、10メートルほど先の小暗い枝に止まったが、すぐに飛び去っていた青黒い小鳥。きっと、さえずりの主は彼だったのかもしれない。
飛び去った、少し遠くの森からまた「ホーイ・チンチンチン」のさえずりを始めた。よっぽど♀が恋しいのか。
単純なリズムなので、一度耳にしたら、頭から離れそうもなかったが、「記憶力はニワトリ並み?」なので、カメラの動画ボタンをおしてさえずりだけを記憶させて家に帰る。
ナツメ社の「ぱっと見わけ 観察を楽しむ 野鳥図鑑」で、あの青黒い小鳥は誰だったか、ページをめくる。図鑑のコラム欄に「♬聴いてみよう」というコーナーがあって、ページをめくりながら「ホーイ・チンチンチン」と似たような書きぶりをさがしていたら、
スズメ目ホオジロ科ホオジロ属「クロジ」のさえずりが「ホィー、チーチー」とある。同ページに印刷されているQRコードをダウンロードして実際のさえずりを確認。「フィー、チンチンチン」
「これだ!この鳥に違いない クロジだったのか。」
図鑑で見るとオイラが山で見たよりずんぐりしているが、青黒い姿でさえずる者はクロジ違いない。
念のためYouTubeの検索コーナーに「クロジ」と印字してEnterをタッチしたら、「クロジ」のさえずり動画がいっぱい出てきた。どれも画像が美しく音声も明瞭だ。蔵王で聞こえたさえずりの主が「クロジ」に間違いなく、さえずる♂の姿もしっかり頭に焼き付けた。
参考までに「bombay320」さんのアップした美しい動画を張り付けておくが、いまや無料でいち早く美しい動画に出会えるYouTubeは欠かせない生きた図鑑となっている。
山を歩いて、見知らぬ鳴き声を耳にしたら、カメラやスマホの動画撮影で音声記録→図鑑で当たりをつける→図鑑のQRコードで鳴き声確認→YouTubeで確認、といった手順で、少しづつ仲間の名前と生態を覚えていこう。
【蔵王で録画した動画】
「ホーイ・チンチンチン」と聞こえる。
【bombay320さんのYouTube】
「ホーイ・チンチンズヴィ」と聞こえる。