いつもどおり、酔って、寝付く前に屋外に出て、空を見上げる。
南東の空に煌々と月が輝く。
昨夜は、陰暦の9月13日、平安の昔からこの国のヒトたちが愛でてきた栗名月と称されている十三夜だ。
陰暦の8月15日である中秋の名月につぐ美しい月のだとされる。今年は、9月31日のスーパームーンの夜だった。
10月の末は、天候も落ち着いて天体が冴え冴えとしてくるころあいだが、なぜ少しだけ欠けた十三夜の夜を「栗名月」と賛美し、同じく美しいはずの旧暦9月の十五夜を名月として愛でなかったのか、その辺のいにしえの日本人の偏屈さというか、デフォルメされたものに対する美意識が謎めいておもしろい。
それに、満月より二日早い十三夜を名月と謳い、二日遅い十七夜(立待月)を名月と扱わなかったのか、その辺も謎めいている。
月とわが国のヒトビトのかかわりについては、まだ調べてみる必要がありそうだ。
花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは。(つれづれ草137段)
そのへんのヒネクレ精神は兼好法師先輩あたりからご教授願おうか。
カメラを通すと余りかけてはいませんが、
微妙に欠けているのです