落葉樹たちの春は、コブシの白い花が青空に向かって咲き誇ることから始まるようだ。
ハウチワカエデの真っ赤な花。クロモジの薄緑の花。チョウジザクラの清楚な白色の花。それぞれが、春を待ちきれなかったように元気に顔をのぞかせ始めた。
チョウジザクラのうつむき加減な花たちにクロマルハナバチがやってきて、一花一花丁寧に蜜を探り当てていた。いろんな花の蜜を味わって人生を終えるハナバチやチョウたちは、短い命ではあるが、幸せ者なのかもしれない。
カタクリの葉になにものか卵を産みつけたのか。黄色い粒々の.刻印のように見える。カタクリの葉はすぐに地中に融けて消えてしまうので、その後どうなるだろう。不思議なことばかり。
ルリタテハやミヤマセセリ♂が地面で翅を広げて体を温めていた。このミヤマセセリは、図鑑で調べると成虫でいられるのはこの一月ばかり見たいだ。ヒメギフさんたちばかり日の目を見ているが、このミヤマセセリのような地味だがスプリングエフェメラルたちは、まだまだいる。もっと出会えるといいな。
きょうも自然観察の森でヒメギフさん(たぶん♀)にあう。この場所は、彼ら彼女に出会う機会が多いことが分かったので、来週にかけてそのほかの場所、蔵王山麓や泉ヶ岳周辺を観察してみよう。どんどん暖かくなり、あまりノンビリもしていられない。そろそろ山菜シーズンなのでそっちも気にかかる。