日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

評価すべき安倍首相の英断

2006年10月05日 | インポート
安倍首相が、自らの報酬を30パーセント、閣僚の報酬を10パーセント減額する事を表明した。

すばらしい英断だ。

構造改革という言葉が頻繁に使われているが、その端緒とするべき事柄は、公的組織職員等の報酬の引き下げではなかろうか。
国会議員、地方議会議員、国家公務員、地方公務員、公団職員等の報酬額を、減額する方向で見直すべき時期に来ているのではなかろうか。

消費税を引き上げる前に、まず実施すべき事柄であろう。

安倍首相の英断に倣い、全ての公的組織の職員の報酬の引き下げを検討すべき時だと思う。


私たちが住んでいる雲仙市に関して試算してみる。

雲仙市のホームページに記載されているデータによれば、平均年齢41.6歳の雲仙市職員の平均給料月額は310,933円、平均給与月額は377,639円となっている。

また、雲仙市議会議員の報酬は、月額344,000円となっていて、その類似団体における最低額は200,000円となっている。

そこで、雲仙市職員455人の報酬額を10パーセント減額し、雲仙市議会議員30人の報酬額を20パーセント減額したとすると、

377,639×0.1×455=17,182,574円(1ヵ月当り)
344,000×0.2×30=2,064,000円(1ヵ月当り)
(17,182,574円+2,064,000円)×12=230,958,888円(1年間)

となり、これだけでも1年間で2億3千万円の支出を抑える事ができる。
この他にも、市長や助役の報酬を30パーセント減額すると、年額で750万円程度の支出が抑えられる。

組織内の支出を抑える方策として、一般的に、まず人員の削減を言い出す人がほとんどであるが、私はそのような発想は短絡的過ぎると思う。
なぜ、組織の人員を確保したまま維持して行こうという発想ができないのだろうか。

組織の皆が、その収入を少しずつ減らすことで我慢すれば、誰もその組織を離れることなく働く事ができるのに。

雲仙市職員の総数に関しても、今後3割補充という方法で、合併当初約500人だった職員数を、15年後には350人程度にまで減らしていこうという事だが、本当にそれで良いのだろうか。

従来は、雲仙市全人口の中のおよそ100人に1人が、雲仙市の職員という職業に就くことができていた。

雲仙市の中で、安定した、500人規模の大規模な雇用の場があるという事になる。

地域の発展や維持には、その地域の中に、まず雇用の場を確保して、その場所に住民が定住する事が最重要だと考える。

若い人たちの雇用の場が確保され、その人たちがそこに定住して家庭を築き、子育てができる環境でなければ、このような地方の人口は減少していくばかりだろう。

そのような理由で、雲仙市職員の総数は減らすべきではなく、その報酬を少しずつ減額することで、なるべく多くの若い人達の就職の可能性を確保しておくべきだと考える。

災害が起きた時に、組織的に対応してくれるのは、役所等の職員の方々だ。

人数さえ減らせば支出が抑えられ、経営が楽になるという考え方は、短絡的過ぎて、働く人の生活に対する配慮が欠落している。

景気は回復傾向にあるというのは、私たちの地方に関しては外れている。
マスコミを通して、政府が流している、政府にとって都合の良い数字の流布に過ぎないように思う。

景気が回復傾向にあるのは、一部の業種に限られていて、地方の建設関連業種は疲弊しているのが実情のようだ。

公共事業関連の国の予算が、最盛期の60パーセントしかない状況で、それに依存している業種の景気が回復するわけが無い。

これから先は、私たちが住んでいるような地方は、少ない仕事を皆で分け合って生きていく事を余儀なくされるのではなかろうか。

安倍首相の英断を、あらゆる公職の方々が汲み取り、まず自分たちの報酬を減額することから、構造改革を始めて欲しいと思う。


豊田かずき