野萱草;本萱草;藪萱草;忘草(ユリ科;ヘメロカリス)花言葉は、苦しみからの解放。萱草の仲間は多いいが、中国原産の「本萱草」を指す。渡来年不詳、変種の「薮萱草」は八重咲き、「野萱草」は一重咲きで、どちらも各地の山野や土手などに野生化している。高さ80~100㎝、葉は広線形。橙赤色の百合に似た漏斗状の花を数個、順に開く。朝咲いた花が夕方にはしぼむ一日花。「花壇地錦抄」には、「この花を水に入れて聖霊に手向けると、聖霊が憂いを忘れるので忘憂というとあるのは萱草のことであろうか。不詳」とある。さらに「萱草と呼ばれる植物はいくつもあって粉らわしい」とあるが,浜萱草や姫萱草もこの仲間。中国名「萱草」。マメ科の薬用植物(甘味剤)にも同音の「甘草」がある。「忘草」はこの草を持っていると憂いが晴れるという俗信から忘草とも呼ばれる。その由縁は、日盛りの青野でこの花に出合うとふと暑さを忘れ、癒される心地がするからとか?「萱草や浅間をかくすちぎれ雲 寺田寅彦」「かん草の一本ゆゑの丸木橋 久保より江」「萱草の花をいそがず小浜線 岡井省二」「萱草の花も夕日もつかれたる 青柳志解樹」「忘草川は小さな渦を持ち 深見けん二」「萱草の揺るるほかなし流人墓 小出秋光」「野萱草もつてのほかの恋をして 大石悦子」。(萱草の花 焼っくような 酷暑かな ケイスケ)