梔子の花;唇子;山梔子;花梔子(アカネ科)花言葉は、私は幸福すぎる。静岡県以西の海岸に近い林に自生し、また観賞ように庭などに植えられる常緑低木。幹はよく分枝し、高さ約2mになる。葉は楕円形で先がとがり、光沢があり、柔らかである。6~7月、枝の先端に径6~8㎝の高盆状の花を一個つけ、豊潤な香を放つ。花は初め純白で、後に淡黄色になる。基本種は花弁5~7個の一重咲きだが、八重咲きもある。秋に実を結ぶが、熟しても口を開かないので「口無」の名がある。「梔子」は中国名。実は染料や薬用に利用される。●ロマンを誘う芳香が愛され、庭や花瓶に挿され香を楽しまれる。咲き始めの際立つ白さが、次第に色褪せて黄色みを帯てくるさまなども恰好の句材となる。「薄月夜花くちなしの匂いけり 正岡子規」「くちなしの花撒いてあり王の墓 松尾いはほ」「口なしの花はや文の褪せるごと 中村草田男」「今朝咲きしくちなしの又白きこと 星野立子」「驟雨くるくちなしの香り踏みにじり 木下夕爾」「梔子を挿頭閻魔に逢いに行く 野見山ひふみ」「くちなしの花夢見るは老いぬため 藤田湘子」「八重くちなし書くために読む本の嵩 鍵和田柚子」「匂いつつ花くちなしの乱れかな 宮本まさよ」「くちなしの束を深夜に届けたり 和田耕三郎」「くちなしに帰化はるかなる百済仏 田辺すみゑ」「口なしの淋しう咲けり水のうへ 青 蘿」{梔子の花見えて香に遠き距離 八木澤高原」「山梔子の実のみ華やぐ防の垣 貞弘 衛」(梔子の花つややかに今朝の空 ケイスケ)