川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

いらっしゃい!麗梅さん

2008-01-12 12:39:21 | 友人たち
 千麿さんの新しいお嫁さんが中国から来日しました。餃子をご馳走するからいらっしゃいと招待されたのできのう午後、練馬区の都営住宅を尋ねました。忠幸さんも一緒です。
 千麿さんは都立北高校の生徒だった洋介くんのお父さんで「中国残留日本人孤児」。僕より二つ歳下で敗戦時2歳。日本に帰って20余年になりますが、数年前、奥さんを医療過誤で亡くされました。きいちご移動教室にも姿をみせてくれる闊達なかたでした。
 新しいお嫁さんは千麿さんの母校・黒竜江省林口県亜河村中心小学校の同級生たちが紹介してくれた麗梅さんです。ジャムスの出身で娘さんは今、南方の深圳でピアノの先生をしています。再婚同志です。父親が若くて聡明なお嫁さんと一緒になって、洋介君たちにはとまどいがあるようです。優しかった母親への気持ちが強いからです。僕にはそれぞれの事情や思いがわかります。時間がかかっても理解が深まり、家族が信頼で結ばれることを期待しています。
 忠幸さんは千麿さんに頼まれて麗梅さんとやりとりした「恋文」を翻訳して東京入管に届けました。結婚が本物であることを証明するために尽力したのです。杜くん夫妻の時も同様でした。半世紀に渡って身につけようと努力してきた中国語の力が今こうしてひとびとを結びつけているのです。この日の私たちの会話を成り立たせてくれたのも忠幸さんです。
 わからない言葉が次々に出てきて、電子辞書で調べたり、考え込んだり。学びに果てはありません。それをやり続けるかたです。現代中国に対する深い学識は僕が知る限り右に出る者は居ません。残留孤児とその家族に寄せる愛情と相まって、みんなにとって頼りがいのあるお兄さんです。千麿さんと麗梅さんを取り巻く人間関係図を作って渡してくれました。お陰でお二人が出会うに至った事情が良く理解できます。
 この日は近くに住むTさんご夫妻が駆けつけてくれました。Tさんも「残留孤児」で千麿さんの一つ下です。中国人の奥さんが麗梅さんの餃子づくりを応援します。
 心づくしの餃子をご馳走になりながら、7人の宴会が始まりました。「残留孤児」が2人、その中国人配偶者が2人。それぞれに尽きせぬ物語があります。中国の現代史を生き抜いて来た人の、僕の想像を絶する話の連続です。この報告は他日を期すこととします。妻の記憶と重ね合わせて、なるべく正確に記録しておきたいからです。
 Tさんから日本や日本人への問いかけもありました。社会科の教師だった僕がなるべく正確に答えたつもりですが、高野さんの腹に落ちたかどうか。
 千麿さんをのぞいて、私たちは初めての出会いです。2時から6時くらいまでの短い(?)交流ですが、友だちになるための貴重な機会でした。「きいちご基金」の旅行で再会することを約束してお開きとしました。
 明日は杜くんの勤める会社の創立25周年のパーティがあります。杜くんの来日を祝うということもテーマのひとつに加えられているので、忠幸さんたちと共に招待されています。どんな出会いがまっているか、楽しみです。