川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

犬童球渓(いんどう・きゅうけい)

2009-10-11 10:13:00 | 出会いの旅
 熊本県人吉市に住む川漁師・賀明さんが送ってくれた鮎を食べる会②を9月27日に行いました。東京から黄(ふぁん)くんが崔さんを誘ってきてくれました。前日、大崎さんの講演会でお会いしたばかりのカツヨシさんも顔を出してくれました。
 黄くんは音楽家です。高校までは朝鮮学校で学びましたが民謡から文部省唱歌まで日本の歌にも驚くほど通じています。きいちご移動教室では歌唱指導をしてくれます。僕は前々からこの日を楽しみにしていました。

 黄くんにもらってほしいものがあったからです。人吉出身の音楽家・犬童(いんどう)球渓の作品集です。球渓没後50周年を記念して遺族が復刻出版した本で楽譜とともに多くの詞が収められています。僕が知っているのは「旅愁」と「故郷の廃家」だけです。

 この本は1999年夏、初めて人吉を訪ねたおり、犬童としさんにいただいたものです。としさんは球渓の娘さんです。道を迷いながら訪ね当てた球渓生家でわたしたちを見つけたとしさんが手渡してくれました。

 黄くんに出会ったときから貰ってもらおうと思ってきました。僕にとっては大切な本ですが、若い音楽家である黄くんの手元にあった方がよりよく生きるだろうからです。

 「旅愁」の曲はヨーロッパの作曲家のものかと思っていたらアメリカ人の作品だと黄くんが教えてくれました。韓国育ちの崔さんも学校で習ったと言って歌ってくれました。韓国語ですが歌詞の意味は「旅愁」と同じだということです。球渓の詞が翻訳されて歌われてきたのでしょう。

 大島高校時代の同僚であった賀明さんや田端さんの故郷・人吉は球渓の故郷でもあったのです。
 今は故郷に帰って川漁師になった賀明さんの釣り上げた鮎に舌鼓を打ちながら楽しいひとときを過ごしました。

 このときの旅は人吉から川辺(かわべ)川をさかのぼり、五木・五家荘(ごかのしょう)果ては宮崎県の椎葉など九州山地の山奥をさまよいました。

 五木では「正調五木の子守歌」を聞き、僕らがなじんできた歌とはにているともいえないことにびっくりしました。

 すばらしい人吉の風景とともに「故郷の廃家」を楽しんでください。

 犬童球渓の生家を訪ねてhttp://washimo-web.jp/Trip/Inudou/inudou.htm