渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ホンダの放った稲妻

2021年11月02日 | open



これがあと15年程早く出ていたら、
バリ伝グンちゃんはホンダの二輪
ワークスライダーなのにマツダの
セブンに乗ったりはしなかった事
だろう。

ポトフ風スープ

2021年11月02日 | open


かみさんのこのポトフ風スープは
結構好きだ。
いけるだな、こりは。
フーは日本語では風だが、フランス
語では火になる。
ポットがフーで火鍋がポトフだすな。
ジャガイモ省いてるので、それほど
長時間煮込まなくてもできるのが、
この風スープだす。

映画『五条霊戦記』(2000年)

2021年11月02日 | open
『五条霊戦記』(2000年)
 
荒唐無稽なファンタジー映画だが、
サラッと面白い。
源義経と弁慶と刀鍛冶の話。
義経の使う太刀が超絶物で、弁慶
の新作刀や木製、金属製の仏像ま
で切断する。
また、激しい打ち合いでも義経の
太刀は一切折れない。
 
斬った時の音が異様にリアルだ。
濡れ雑巾に金属のサシ金を叩きつけ
た時のような音。
ただ、効果音の演出としては、佩い
た太刀を払う時、シャーッと外国映
画のような金属が擦れ合うような音
がするのは果てしなくいただけない。
日本刀は太刀だろうと打刀だろうと、
抜くときには金属擦過音は一切しな
い。鞘が朴木だから鳴りようが無い。
 
ファンタジー作品だが、森の中での
斬り合いには目を見張るものがある。
ただし、一部の年配俳優を除いて、
ウルトラ大根揃い。学芸会以下
の台
回しだ。
特に山賊がひどい。
この作品の義経は大根切りをやった
のだった。

不思議な時間

2021年11月02日 | open
 
うちの野営会はいわゆるソロキャ
ンプではない。
集団的自営圏だ。
しかし、規則も定めもない。
ソロキャンの集合体みたいな感じ。
暗黙の合意と同意と同調で集まり、
現場では各自の時間を過ごしている。
元々、仲間うちで気の合う連中が
集まってやり始めたが、段々と段
取りをまとめる人が自然と取りま
とめのリーダー格となってまとま
ようになって来た。ごく自然に。
かといって、勝手参加はよくない
ので、人を連れて行く時などは、
「今度これこれこういう人を連れ
て行こうかと思うのだけどいいか
い?」と確認を取る。
そのあたりは軍のようにガチガチ
に組織化された集まりではな
が、人の集まりの常識的
範囲で。
 
現場では、これといってやる事は
ない。
かといって、寝食準備でやる事は
あるのでやってはいるが、主と
て設営と撤収作業、食事を
作る事が中心だ。それも、各人
独自の場
合とさっと黙って協力
実行という
二つがある。
あとは、何にもしない。
日常の多忙を極める仕事で時間に
追いまくられる事もないし、数字
を追うノルマも無い。月度の業績
に頭を悩ませて、年度計画と照ら
し合わせて方策に苦心する事
さえも無い。
食事の準備と後片付けと食事中以
は、各人がただただゆたぁ〜
て勝手気ままに過ごして
いる。
 
この時間が二日乃至三日、野営会
では続く。
「よーし!みんな!あの夕陽に向
かって競争だっ!」というような
湘南海岸青春ドラマのような熱血
「みんなで一緒に」シリーズも一
存在しない。
各人ただそこに座っているのだが、
時折談笑する程度で、議論したり
昔の学生ウンドのおにーさんたち
のように主張をぶつけ合う事もな
い。サラッとスマートに行く。
込み入った話さえ脳ができない程
に機能停止させている。あえて。
 
だが、これは「無駄な時間」では
ない。無駄な時間を過ごして
はいな
い。
これは有益なのだ。
身体機能のうち、心の健康を保つ為
には極めて有益なのである。
緊張と弛緩はどちらか片方に偏って
はいけない。心のバランスが確実に
崩れる。
 
二輪ツーリングとは全く別な精神的
な時間帯がキャンプ場における
キャンプ
では流れて行く。
二輪走行は、跨る直前から下車する
まで緊張の糸が途切れない。
常にピッと気を張りつめている。
身体は疲れないが、二輪から下りる
とグタァとなる。緊張の糸が切れる
からだ。
気を張らないと事故を起こすので、
走行中は常に最大集中している。
スポーツの試合中と全く一緒だ。
野球でもダレないように選手は試合
中に円陣組んでコールをする。
「締まっていこうぜ!」と。
緩めたらオシマイだからだ。
 
しかし、人間の集中力などはもって
2時間だ。映画などはそれを目安に
作品の長さを設定しているし、学校
の授業も大学が90分、高校が50分、
中学が45分程度なのはその為だ。
なので、公道走行では休憩が絶対に
必要だ。ほんの5分でも10分で
休息を取る事が次の緊張期間
を作れ
る。
緊張を解くのは休息時のみ。
走行中に集中力を欠くと、まずアク
シデントを誘発する。
 
私たちのキャンプでは、その時間帯
が存在しない。
そこが山中でのブッシュクラフト
は大きく異なる。
キャンプ場は、「安全圏」として
そうした「ゆとり」を担保する。
野生動物と共にいる森の中では、
うそう緊張は解けない。下手し
たら
自分が餌になってしまうから
だ。
森の中では、狩猟や渓流釣りでの山
入りと同じで、森と同化するアド
ンチャー的な要素が強い。
人造キャンプ場での時間経過と精神
世界はそれらとは決定的に異な
る。
 
そしてね、私たちが利用している
キャンプ場は、トイレがめちゃく
ちゃ
綺麗なの。最新式の水洗トイレ
で。
外国人がオウ!エクセレント!とか
言って瞠目して自宅にも欲しがるあ
日本人が発明した例のトイレ
の最
新型。
ここ15年程でようやく高速道路の
SAでも全国化されて来た例のトイレ。
世界一環境が良い日本発祥のやつ。
 
キャンプ場では、やるのは寝食に
必要な最低限の事だけで、あと
「何もしない事」が珠玉の
時間だ。
時を止める、という時の流れの中
で息をする。
それがキャンプかなあ、とも思う。

『マタギ 矛盾なき労働と食文化』(2009)

2021年11月02日 | open


久しぶりに再読。
良書。

良質な国産ナイフ

2021年11月02日 | open


 
1990年代から一番多用したナイフが
これ。G.サカイのキャンプスタッグ。
その名の通り、キャンプでやたらと
使った。
特に1990年代末期〜2002年までは
毎週土日はキャンプだったので使い
倒した。
キャンプ場をベースにし、そこから
山岳渓流に釣行していた。
 
このナイフのような刃の長さが8cm
程の中型ナイフは、キャンプ等での
オールパーパスナイフとしてはとて
も使いやすい。
しかも、このナイフは最近はほぼ
見ない片刃の洋式ナイフだ。
和式包丁のような造りで、切れ込
の切れ味が半端なく鋭い。
薄く、フルタングではないので、
最近流行りのナイフでの薪割
り等
はできない。ナイフ本来
の使い方
をする為のナイフ。
そこがまた
いい。
とにかく「切る」事に特化している。
鋼材は非の打ち所がない名鋼の日立
ATS34だ。
その名鋼さえもすでに廃番になって
しまった。
 
良い物がどんどん廃番となって行く。
バック社の110は定番中の定番で超
ングセールをしているが、国
産物
は良品であってもなかなか販売
継続
とはならない傾向がある。
国産マスプロナイフは量産品という
よりも、作家が作るカスタムナイフ
に近い品質を持っている。手削りの
技術が。それが逆に桎梏を形成する
という皮肉が起きている。
今は、中国のCNCマシンで削り出さ
れたナイフが世界を席巻している。
従来品の1/10程の価格で買えてしま
う。それが爆発的に売れている。
 
しかし、この1990年代初期物の日本
製のナイフは、現在の中国製ナイフ
には絶対に無い「味」がある。これ
は確実にある。
ただ「切れればいい」という刃物で
はない名状し難いものを国産ナイフ
は持っている。
 
しかし、廃番。
国産の良いナイフは殆ど廃番。
実に惜しい。
岐阜県関市のメーカーでは、マスプ
ロというよりもセミカスタムライン
に近い「服部刃物」のナイフが個人
的には私は好きだ。
 
これはハットリ。心の支えのナイフ。
服部刃物さんから直に20年程前に
購入した。鋼材は武生V金10号。
型番#3718。ブローニングのOEM
時代のブローニング・チーターの
シルエットに微小アレンジを加えた
ハットリのオリジナルナイフだ。
このブレードシルエットが滅多矢鱈
と勝手が良い。チーターはフラット
だったが、ハットリのこのナイフは
緩いハマグリ刃。 


ハットリ#3718
https://hattori-hamono.shop-pro.jp/?pid=146980256

服部刃物は、かつて米国の銃器メー
カーのブローング社のナイフを
OEMで手がけていた。コンピュー
タ制御ではない手削りが一般的だっ
時代には。

服部だけでない。米国の多くのナ
イフメーカーは日本でOEM製造し
ていた。アル・マーなどもそう
だ。
アル・マーはモキナイフが
担当し
ていた。
日本のナイフは世界一の品質だっ
た。
それは今でも全く変わらない。
だが、高品質ゆえに人件費も原価
コストにかかる。
そのため、機械削りの量産中国品
には「商品」としてはどこの国の
ナイフも勝てなくなってしまった。
例外的に売れているのはアメリカ
のバークリバーだが、それとて
造は中国だ。米国人が作って
いる
のではない。中国の機械が
作って
いる。
あれは、一昔前に製品製造のプラ
ンが立てられていたら、まず間違
いなく日本に製造依頼が来ていた
事だろう。
日本の刃物は打ち刃物も削り刃物
も非常に品質が高い。
ただ、製造金額が「適正価格」の
ため、中国の量産機械製造品には
価格競争では全く太刀打ちでき
ない。
その状況を脱するにはどうす
ればいいのか。
一般的物品であれば、「付加
価値」が付随すれば商品価格
が高くともある程度は販売が
見込める。
だが、刃物の世界で購買意欲
をそそる「付加価値」の付与
はかなり難しい。
特に実用刃物は。