セリフ回しの演技は論外。
だが、じわじわと変わる。
らした悲劇なのであった。
い物語だ。
の広末涼子。
ㇲは、常に時代の波に翻弄され
た人間の姿を描く。
本作のラストは原作者が1958年
では描く事が不可能だった21世
紀の現代(2009年時点)を描い
ている。
それは時代を超えた一つの絵画
を最後のラストカットとして。
だが、そこで中島みゆき(現代)
の曲が被さる。
違うのだ。それは。
1975年時点の中島みゆきならば
まだしも、今のみゆきは違うの
だ。まるで違うのだ。今の演出
過剰の作られすぎた中島みゆき
の歌い方は。この松本清張物語
の曲としては。この映画のラス
トに、中島みゆきのこの歌はく
どすぎてかなり耳障りだ。
本作、浅い。作り込みの根幹が。
駄目な作品。
松本清張の「小説」ながらフィ
クションを超えるあの鬼気迫る
リアル感が「おはなし」になっ
てしまっている。
駄目作だ、これは。空回りして
いる。
木村多江の演技のみが一番戦後
のリアルな悲哀を演じきってい
た作品だ。
悲しすぎる程に。
なお、本作は、映画『白昼の
死角』(原作1959年高木彬光、
映画化1979年角川製作/東映
配給)の撮影方法にかなり影響
を受けている事が随所に垣間
見られる。活動写真の撮りと
しても『白昼の死角』の二次
加工のような場面さえも多い。
奇しくも、原作の発表された
時期、扱うテーマも戦後の社
会の闇、映画化が現代という
点でも下敷きまでも似ている。