ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




また今日は映画の話を書こうかな。アイ・ラヴ・ムービー

最近観たのからいつくつかを、ちょっと簡単にご紹介しちゃいまひょう。・・・ひょうって(笑)。

軽いのから行こうかな。

・「オーシャンズ13

もうこれは、随分前のリリースなのですが、遅ればせながらやっと観ました。「オーシャンズ11」が面白すぎたってのもあって、「オーシャンズ12」で「あれっ?」って思って、今回はもう、ツッコミどころ満載になっちゃってて(笑)。いや、話は十分に面白いんですけどね。

でも、これだけのスターを同じフレームの中で見れるなんてのは、なかなか無いですからね。そこだけでも観る価値はあるのかな。大好きなマット・デイモン(←いつも上手だけど、「リプリー」での彼の演技は、最高!)、ブラピ(←代表作ばっかりですけど、「12モンキーズ」での演技が特に印象深いですなー)、そして、今回はなんと言っても、大大大好きなアル・パチーノがご出演。もー、やっぱり最高でした。アル・パチーノの映画でお気に入りは、前にもご紹介した、切なくて、でも生きる力をもらえる「セント・オブ・ウーマン~夢の香り~」、そして、「この人はこれが地なんじゃないか?」って位はまり役に思えた、超鬼気迫る演技を見せてくれる映画「ディアボロス」ですねー。しかしこの「オーシャンズ13」の制作費1億ドル(100億円)って、・・・これたぶん、ほとんどが出演者のギャラだったんじゃ(笑)。

 

・「アポカリプト

このところ、いい意味でかなりギリギリの線をいっちゃってるメル・ギブソンがあのキリストの最後を描いた問題作「パッション」に続いて撮った、ノンストップ・マヤ文明映画。こんなんじゃ、なんだかよくわかりませんね(笑)。もう、とにかく、この世界には引きずり込まれます。ってかね、引きずり込み方がとっても上手で、始まって15分で、もうタイムマシンに乗っって古代の世界に連れて行かれちゃったような感覚になれます。ある意味、ファンタジー。でも、映画は、リアリズムに溢れてて、ヘビーでしたね。テーマも、「人間」と「争い」という、現代に続く問題点の原点を見せられてるようでもあって、風刺が効いてて非常に興味深かったです。「文明化」「近代化」の罪とかね。それにしても、結局、昔から人間はずっと争ってたんだな・・・と改めて気付かされます。

古代という時代設定ですけれども、セットもとってもよく作られてて、そのあたり、一切破綻しません。音楽も最高でしたし。制作費、4千万ドル(40億円)。こっちの方が映像的にはどう考えてもお金かかってそうなのに・・・やっぱり、「13」はスターのギャラでしょう(笑)。「アポカリプト」には、有名な俳優さんは一人も出てきません。まぁ、これで出てきたら、醒めますよね(笑)。

 

・「パラダイス・ナウ

もしあなたが、いわゆる「パレスチナ問題」について、あるいは中東各国で頻発している「自爆テロ」というものについて、少しでも興味があるなら、間違いなく必見の一本だと思います。また、「自爆テロー?よくわかんないけど、信じらんなーい。だって自分も絶対死ぬんだよー。ありえないよー」なんて方にも、是非観ていただきたい映画です。何故、彼らが「自爆」するのか。自爆テロとは、どのように行われるのか。一体誰が、やらせているのか。そして、周りの人間、母、恋人たちは一体どんな思いでこの現実と向き合っているのか。

パレスチナ、イスラエル、ガザ地区、ヨルダン川西岸・・・。ニュースで名前は聞くけれど、リアルにイメージが沸かない僕達にとって、この映画は最高のテキストではないかと思います。僕にしても、今までレポート記事や写真などから想像するしかなかったので、この映画で見る事のできる生々しい街の様子に釘付けになりました。そして、映画を観終わった後では「自爆テロ」の「テロ」という部分に、違和感を持つようになりました。エンドロールが最後まで終わって、DVDが勝手にメニュー画面に戻るまで、頭が真っ白になって動く事が出来なくなった映画でした。制作費は不明。この映画がパレスチナ人によって作られ、そして存在していること、そしてまた世界中で高い評価を得ている事に、強い感動を覚えます。とはいえ、決して「自爆攻撃」そのものを推奨はできませんけれど。これは、色んな意味でね。

・「ナイロビの蜂

昨夜観た一本ですが、・・・やられました。途中まで「ほほー、よく出来たサスペンスだなぁ」と思って観ていたので、まさか最後にガツンと泣かされるとは思っていませんでしたよ。最近、アフリカをテーマにした映画に強く惹かれるんです。この映画も、舞台はケニアです。アフリカの自然、風土、生活、空気、そしてそこに住む人々。絶妙なカメラワークと、色使い、そして奇跡的なんじゃないかと思えるくらいの、完璧な編集。終わって欲しくない、と思わされ続けた2時間でした。

テーマは「命の値段」であったり、国と企業ぐるみの「不正」、そしてそれを暴こうとする「正義」との対立でもあったりするのですが、僕はラストまで観て、「これはやっぱり『恋愛ドラマ』だったんだな」と思いました。夫婦愛。人が人を心の底から尊敬し、影響を受け、必要とし、愛するということ。僕は、いわゆる恋愛映画、ラブ・ロマンスものはあまり得意じゃないんですが、でも、この映画は、本当に観て良かった。10年経って、誰かに「この『ナイロビの蜂』って、どう?」って訊かれても「うん、いい映画だよ。観てご覧。」って答えると思います。そういう一本です。レイチェル・ワイズの笑顔が、とってもとっても印象的。そして、レイフ・ファインズの背中が・・・そして、アフリカの子供の笑顔が。うぅ、また泣けてくる

制作費は25万ドル(2500万円)とか。なんでこんなに安く作れたのか、一桁二桁間違ってないか?と思うくらいちゃんと作りこまれた美しい映画だったんですが、とにかく・・・映画の良し悪しは、制作費じゃないんですよね。もちろん、音楽だって、美術だって、舞台だってそうですが。

大切なのは、物語。

そして、語り手の熱なんだな、と思いました。こちらも、その温度を感じる事ができるように、しっかり受け止められるように、日々、心を冷やさないようにしておかなきゃですよね

 

写真は、玉子たっぷり、ネギたっぷりの、ネギネギ・オムレツ。ちょっとカタチはアレですが、まあまあ美味しくできました。ってか、これはあまり失敗のしようがないか(笑)。

ではー。



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