天皇、皇后両陛下が被災地を訪問されたり、大きな被害に遭ってしまった南三陸町で、ようやく電気が通ったり、見ているこちらまで元気をもらえるようなニュースがありました。
一方、ずっと値が低く、ここは大丈夫ではないかと思われていたという福島県会津地方で、「まさかのホウレンソウが基準値超え」。
会津若松市の発表によるとと、ヨウ素は法廷基準値内だったものの、半減期が30年のセシウムで、134と137、それぞれ1100ベクレル/kgという高い値を計測してしまったのです(基準は500ベクレル/kg)。
農家の方々が、どれだけ落胆されたことか、本当に胸が痛みます。
そして、この被害がどこまで広がるのか、その恐怖というか、口惜しさに夜も眠れない方たちがどれほどいらっしゃるか。
ほんの一ヶ月前には、想像もしていなかったことですものね。
まして、10キロ、もしかしたら20キロ圏内には、一部被害は及ぶかもしれないけど、あとは大丈夫と言われてましたし。
ちなみに、会津若松市は、原発から、およそ100キロ、離れています。
武田先生のブログ、下の2記事は是非目を通しておいて頂きたいと思います。
「原発深層流001 信用できる人、できない人 その1」
「福島県人差別」の原因を作っている人たち」
ネットで、
首相が、「申し訳ないがここにはもう住めない。恨みや憎しみは私にぶつけてほしい」
と言って半径100キロ圏内の住人をすぐに強制退去させれば、私は彼をリーダーとして受け入れられる。
という書き込みを見ました。
それが、現実的かどうかの議論の前に、このロジックは、感覚の部分で大きく同意できます。
この書き込みの尻馬にのるようなアイデアですが、
まず、現在の農作物はすべて東電が正規の価格で買い上げる。残念だけれども、それは遺棄するしかないとしても。(もう放射能の影響が子孫に出ることのない、お年を召した東電の社長や役員さんが自分で食べるのはいいとして。)
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補記:上記のかっこ内の一文に関して。
一つに、東電が社員に福島県産品を積極的に購入することを社員に推奨する旨を検討という記事があることがあります。実際、検討段階から実際に推奨されたかは分かりませんが、社員に買わせるのであれば、最初から会社として買えばいいのではないか、と思うのです。
もう一つに、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐ目的で、福島県いわき市で15万人に独自配布されている安定ヨウ素剤の存在があります。このヨウ素剤の服用対象は、40歳未満なのです。
理由として、「40歳以上では、放射線被ばくにより誘発される甲状腺発がんのリスクが認められないことから服用対象者とはしない。」ということ。
そうなんです。僕も、もう被曝が危惧される地域に居ても、このヨウ素剤はもらえないんです。多少複雑ですが、医学的理由からでしたら、仕方ないです。これが、40歳以上である方々が、自己判断で食べるならいいんじゃないか、と書いた根拠です。
一方、ヨウ素剤に関して「新生児、乳幼児や妊婦の服用を優先させる。」とされています。
つまり、若い人ほど甲状腺癌のリスクがあるということですね。これは、先日ビデオをご紹介したチェルノブイリで先例が多数ありました。とにかく、この問題で、まず一番の心配は小さな子ども、そして、妊婦やこれから子どもを生む予定の女性です(被曝時に妊娠していなくても、その後、胎児に影響が出てしまった例もチェルノブイリに多数あります)。
ヨウ素剤に関するいわきの方のブログもご参照下さい(こちらやこちら)。このお話が、よりリアルに伝わると思います。
また、アメリカでは(距離的にちょっと過剰反応ですが、時期が時期だっただけに仕方ないかも)ヨウ素剤を求める人が増えたそうですが、実際、今、日本に来たがらないミュージシャンの為に、独自にヨウ素剤を購入している(外人ミュージシャンを安心させる為)日本のコンサート制作会社もあります。実話なんですよ。
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そして、政府命令というかたちで、福島の方々や、危険が及ぶかも、と思われる地域の方々を、国費と東電のお金で避難させて、
北海道や、関西地方、九州などのおそらく安全と思われる未開地域を開拓して(これも政府、地方自治体の全面的援助で)、
県ごと、とはいかなくても、市町村単位くらいで、新しい町を作って、移住してもらうなんてのはどうでしょうか。
「そう簡単に故郷を離れられるか」というお声もあるでしょう。
でも、そこで家族を養い、子どもを生み、世代を重ねていくには、もはやリスクが大きすぎます。
収束するかもしれないけど、・・・しないかもしれない。
少なくとも、今は、当の東電も保安院も、手探りだらけ。見通しすら立っていないのです。
「山の向こうに何があるのか分からない。今はまだ、山を登る入り口を探している状況だ」(政府関係者)ということです。
まして、農家としての知識があっても、空や水を汚す目に見えない放射能には、残念ながら敵いません。
なら、空気と水と土壌のきれいな土地に移り、そのノウハウで新しく農業地域を築いてもらうわけにはいかないのでしょうか。
勿論、時間もかかるでしょう。それこそ数十年単位の話かもしれません。
でも、受け入れ先となる県などでも、まず土木建築関係での雇用も見込めますし、住民が増えるので税収もアップします。さらに、過疎とは逆に、長年にわたる産業の多様化、住民の為の道路や鉄道などの新たなインフラの整備など、地域の新たな活性化につながりそうです。
このプロジェクトは政府主導で、費用は基本的に東電が、今後数十年にわたって、ずっと負担していくということでどうでしょう(間接的には電気の受益者である僕らも負担していくのですが)。
その新たな街で、風力、地熱などの、新しいエネルギープロジェクトを立ち上げて、農業、漁業、酪農などを希望する以外の方は、働き手としてそれに関わってもらうのもいいかも。その電力は、東電が買って、適正な価格で売るとかすれば、お金も回ります。
完全収束に100年かかるだろう、という海外のレポートもあります。
100年と言えば、孫や、ひ孫、もっと先の世代の世の中です。
その世代の為に、今何をすべきで、何を残すのか。
もしかして、その後、きれいになった福島へ、戻りたければ戻ってこれる。
それまでは、どの道、汚染されてしまっているのなら、浄化に時間がかかるわけですから、土地が人手に渡ってしまうことはないでしょう。
というか、その時のために、今の皆さんの土地などは、しっかり国と東電に、ずっと守っておいてもらえないものでしょうか。
・・・勿論、試算してみたら「現実的じゃない」のかもしれませんけれど。
なんかね、つらつらと、考えてしまったのです。
あとね、今、福島の野菜を「安全です」と、一生懸命売っているというニュースを見ます。
テレビのコメンテーターも「どんどん買って、食べてください。出回っているものは安全なんですから!それが復興に繋がるんです!」と。
勿論、買って食べられる人は、そうすればいいと思います。
ちなみに食品の放射線量は、たとえガイガーカウンターが手元にあっても(例えばスーパーの売り場に設置してあっても)、すぐにわかるものではありません。
ガイガーカウンターが鳴るような食品は、間違っても口に入れてはいけませんが、
僕たちが知りたい規制値は、そのはるかに下にありますので反応しないか、または正確な値は得られないのです。
正確な検査には、専門機関で、1品目に2万円くらいのコストと、2日~1週間の時間をかけて計るしかないのです。
今後、本当にモラルが試されるでしょうね。
覚えておいでの方も多いと思いますが、今まで幾度か、産地偽装、ラベル改ざん・・・と、食に関する嫌なニュースがありました。
農家の方は、安全なものを作りたいと思って作っているに決まっています。
しかし、その先はどう保障できましょうか。
先日、出荷自粛のレタス(停止命令でなかった)を「これは、どうせもう売れないから、ただでいいから、他のと一緒についでに持って行ってよ」と業者に頼んだら、
その業者が一つ1円で売りに出したのだそうです。するとそのダンボール数箱分のレタスは、あっという間に売り切れたそうです。
皆さんが、個人の責任において、自分で食べるならいいんです。
でも、こういった野菜が、今後、どこでどう使われるのか、僕たち消費者にはどうしようもありません。
食事がロシアンルーレットみたいになっては困るのです。
ご存知のように、今の基準は、震災後に緩められたり、新たに作られたものです。
WHOの基準にのっとって、元々は、もっと厳しかった。
なので、今の基準値で「大丈夫です!基準値を下回ってますから!」でも、
元々の世界基準からしたら、数十倍も大きい値である可能性だって否定できないのです。
アメリカは、昨日、
輸入規制を、福島、茨城、栃木、群馬4県に加え、新たに千葉・埼玉産に拡大しました。
これは、日本の安全基準と、海外での安全基準が違うためです。
ただ、政府は発表する数値は、信じていいものだそうです。
今、世界中が注目しているので、いい加減な値は公表できないだろう、というのがその根拠です。
ですので、日本も基準値を引き上げないで、逆に国際標準基準の中に留めておくか、もしかしたら、あえてさらに厳しく定めてしまえばよかったのに、と思います。
「今、売っている野菜は、震災前に売っていたものよりも、さらに安全な基準をクリアしたものばかりです。だから、“絶対に”安全なんです!」って。
これなら、「2000ベクレルがダメでも、1999は下回ってるから安全って言われてもねえ。」などと訝ってる人も、安心できますよね。
これからも注意して、注目していきましょう。
安全な食べ物を求める行為は、生き物としての基本ですから。
写真は、ホウレン草とシメジのお味噌汁です。残念ながら、震災前に撮ったものですが・・・。
大好きなんですよね、ホウレン草。
また、心から安心して、美味しく食べたいな。
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明後日、17日、本来Zepp東京で予定されていた椎名へきるちゃんのライブが延期になった代わりに、同会場でチャリティー握手会が催されることになりました。
つきましては、へきちゃんと共に、僕たちバンドメンバー全員、スタッフ有志も参加させて頂くことになりました。
14:00開場、14:30開演です。
金髪さん、JAKEさんのギタリスト二人とへきちゃんによるアコースティック・ミニライブはある・・・かも、という感じだそうです。
ではでは、よろしかったら、ZEPP東京でお会いしましょう。
ではー。