く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ザゼンソウ(座禅草)> 紫褐色の苞を光背に、肉穂花序を座禅僧に見立て

2015年04月25日 | 花の四季

【「ダルマソウ」とも、自ら熱を発し雪を融かして開花!】

 サトイモ科の多年草。主に本州の中部以北と北海道の湿地帯に自生する。花期は3~5月ごろ。花は葉が伸びる前に咲く。同じサトイモ科のミズバショウやユキモチソウ、ムサシアブミなどと同様、〝仏炎苞(ぶつえんほう)〟が大きなツクシのような肉穂花序を包み込む。

 仏炎苞を仏様の光背に、花軸をお堂の中で座禅を組むお坊さんに見立てて「座禅草」の名前が付いた。「ダルマソウ(達磨草)」という別名も。これは壁に向かって9年間座禅を続けたといわれる禅宗の初祖、達磨大師に因んだもの。ザゼンソウより一回り小さいものに「ヒメザゼンソウ」がある。こちらの花期は4~6月とザゼンソウより少し遅い。

 ザゼンソウは珍しい特徴を持つ。まだ雪が残る早春、肉穂花序が自ら発熱して周囲の雪を融かし地上に顔を出して開花する。その温度は25度にもなるという。同時に異臭を発する。発熱の仕組みはまだはっきり分かっていないが、他の植物よりいち早く開花して昆虫を誘う作戦とみられる。北米太平洋側には仏炎苞が黄色で、激しい異臭のため「イエロー・スカンク・キャベジ」と呼ばれる種類があるそうだ。

 国内で群生地が多いのが信州長野県。諏訪市の「ザゼンソウの里公園」、白馬村飯盛の「ざぜん草園」、大町市の居谷里湿原など。他に北海道のサロベツ原生花園や群馬県片品村の針山や武尊(ほたか)高原なども名所として知られる。滋賀県高島市今津町弘川の群生地は県の緑地環境保全地区に指定されている。既に花の盛りを過ぎた所も多いが、兵庫県香美町のハチ北高原の見ごろは5月初めまで続くという。「座禅草眠り落つ児に母衣(ほろ)揚げよ」(小串歌枝)。

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