く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<スイセンノウ(酔仙翁)> 柔らかな葉の触感から「フランネルソウ」とも

2017年05月26日 | 花の四季

【ヨーロッパ南東部原産、花は鮮やかな紫紅色の5弁花】

 ナデシコ科センノウ属。原産地はヨーロッパ南東部で、日本への渡来時期は江戸時代末期(?)といわれる。本来は常緑の多年草だが、多湿にやや弱く秋蒔き1年草として扱われることも。こぼれ種でもよくふえる。花期は5~7月頃で、高さ50~100cmの花茎を立ち上げ鮮やかな紫紅色の5弁花を上向きに付ける。白やピンクの花もあり、八重咲きのものもある。花径は2~4cmで、雄しべや雌しべは中に隠れてほとんど見えない。

 学名はリクニス・コロナリア。属名リクニスはギリシャ語で「ランプ」、種小名コロナリアは「花冠のような」を意味する。和名の属名センノウは京都・嵯峨野の仙翁寺(廃寺)に由来するという。同寺で中国から1300年頃に伝わったセンノウ(仙翁、センノウゲ=仙翁花=とも)が栽培されていたことによる。「酔仙翁」の頭の「酔」は花色を酔っ払った赤ら顔に見立てたものと思われるが、新牧野日本植物圖鑑は「初め白地に水紅色をさした花の品種に対して名づけたものだろうか」と推測している。

 スイセンノウはシソ科のラムズイヤーと同じように、葉や茎など全株に白い綿毛が密生する。その手触りが柔らかい毛織物のフランネル(ネル、フラノ)に似ていることから「フランネルソウ」の俗称で呼ばれることも多い。開花期は花の紫紅色とシルバーリーフ(銀葉)のコントラストが映える時期でもある。よく似た名前の草花に「フランネルフラワー」があるが、こちらはオーストラリア原産のセリ科の植物。その名は綿毛が密生した白い花の感触がフランネルに似ることに由来する。

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