言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

空想商店街 「復活弁当」(1)

2012-04-02 09:54:02 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



「復活弁当」(1)


朝6時。

普段でも閉じたシャッターが多い中、そのうちの1軒の店が、大きな音を商店街の中に響き立て、勢いよく上に上げられた。

しばらくすると、灯と一緒にリズミカルな俎を包丁でたたく音も外にまで漏れ出てきた。

その音を耳にするだけで喉が鳴りだしそうだ。

時おりはシャキ、シャキっと新鮮な野菜を刻む音も聞こえる。

それとともに中年女性の声が店の外にまで灯と一緒に出てくる。

喜久代さんの声だ。

この中のリーダー的な位置にいるのは、あながちその張り切った声にあるといっても言い過ぎではないと思う。

喜久代さんの声に対して、漫才のようにツッコミを入れるのが、最年長の香世子さんだ。

二人のやり取りの合間には、友子さんや照美さん、郁子さんの声が混じる。

それでここにいる全員だ。


そのうちにうまそうな匂いが商店街の通路にまで漏れだしてくる頃になると、その元気な声もしばらくは途切れる。


シャッターが開いてから1時間ほど経つと、若い男がひとり、ふたりとやってくるようになる。

みんな工員風だ。

店の前に自転車を止めて中に入っていく。

そしてしばらくすると、弁当のような荷物も手にさげて出てくる。

それと入れ替わりに、マフラーを取り外したような爆音を響かせて、また若い二十歳にもなっていないような作業着姿の男が店の前に乗り付けるーーーまだ商店街の中はクルマも自由に通れる時間なのだーーーと、一応エンジンを切ってやはり中に入っていく。

「おばさん、おはようっす! 今日のおかず、何?」

すかさず喜久代さんの声が響く。

「お子ちゃまハンバーグ! あんたにぴったりだろ」

「やめろよ、俺、お子ちゃまじゃないからな! この通り自分で稼いで食ってんだ。いい加減子ども扱いはやめてくれよ、おばさん」

「よし、じゃあそのおばさんをやめて、お姉さんて言えばいつでもやめてやるよ」

「そりゃ無理だよ、おばさん。だっておばさん、なんだもの」

大空と書いて、無理矢理のぞむと読ませる名前をもつこの若い男は、喜久代さんの本当の甥だ。

だから「おばさん」はおばさんだから、それもしょうがないというところだが、大空の言い返しはどうしても小さな声になってしまう。

ちょっと困った顔つきだが、そこにはうれしさも混じっている。

「うちからしたらまだまだねえねえだよ、大空は。あんたうちのおっぱい、ちゅうちゅう吸ってたときだってあるんだから」

「もうやめてくれよ、いい加減そんな話は!」

そこでみんなの笑い声が、大きく外に飛び出す。

「はい、大空くん。今日のお弁当!」と大きな声で言って、大空専用のランチジャーが、友子さんから手渡される。

「オーケー、じゃあな、おばさん!」

「オーケーじゃないよ! あ・り・が・と・う、でしょ。工場で働いてるからって、挨拶は挨拶。きちんとしなさい!」

「ワリィ~。ありがとさ~ん」

大空は語尾を言い終える前に、もうすでに車に乗っている。

そして来たときと同じように、大きなエンジン音を響かせて、大空は出かけていった。


                                    つづく

<2>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

販売の仕掛け

2012-04-02 09:24:57 | 生き残るということ
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今日から新年度が始まりました。
その初日はよく晴れています。
昨日ははっきりしない空模様で、午後にはとても冷たい風が強く吹き、まるで真冬の冷たさでした。
今日はあまり昨日ほど風はとよくありませんが、空気は冷たく、外に出ると思わず身を引いてしまいました。
この数年ですと、今頃の時期はだいたいコットンのトレーナー(ほんとはスエットシャツというんですけど)を羽織るぐらいなんですけど、今年はまだウールのセーターが離せません。
というよりも、昨日は冬のコートがまだ必要でした。
いつになったら桜も花開くのでしょうかねえ。

さて新年度ですが、それは役所や公共機関関係だけのこと。
われわれには昨日の続きであります。

昨日ぐらいまでは3月の春のセールがどこでも盛んに行われていたようです。
わたしは郊外の新しい商業集積地になった場所に出かけてみました。

中心になる店が改装オープンということもあり、3時過ぎに行っても、駐車場は大混雑。
空きスペースはなく、仕方なく車で空くまで待っていましたが、そんな時間は思うほど大した時間でもないのに、いざ待っているとけっこう長いんですよね。
そして買物を終えた人がわたしが待っている車のレーンにやってきて、買物をした荷物を載せ、自分たちも車に乗っても、なかなか走り出そうとはしないんですね。車の中で何かやっている。
それはまあ本人たちの自由なんでしょうが、わたしなんかだと、待っている人がいたら(というよりもいつもですが)乗ったらすぐに発進させます。
でもけっこうのんびりしているというか、空気を見ないで、どんなときでも自分たちのことしか考えられないような人が最近けっこう増えてきているように、そのときも感じました。

そんな人たちにお店では商品を提供しなければならないですから、自ずと販売の方法は、今までとはがらりと変えていかなくてはならないのでしょうか。
いいえ、そうじゃないと思います。

商いの基本は、お客様が望んでいるものを適切な(お客様が妥当だと思う)価格で販売すること、です。
それ以下でも、それ以上でもありません。

しかしひとつだけ今のモノ余りの時代では、もうひとつ、必要なことがあります。
それは、お客様が欲しいと思って手を伸ばしてくれるように演出すること、ですね。

今の時代、商品を店頭に並べておくだけでは、お客様はおいそれとは手を出してくれません。
手を出してくれるための“何か”の仕掛けが必要なんですね。

その仕掛けには様々な手法があり、まだ実際に使われていない、もしかしたらあなたが新たに発明するかもしれない仕掛けもあるでしょう。
その仕掛けをいち早く身に付けた人、お店が、これからは残っていきます

どこかで成功した仕掛けを自分の店にそのまま持ってきても、それはあまり成功は期待できませんね。
しかし、どこかのオリジナルであっても、その本質だけ借りて、形、表現は自分の店の仕掛けにすることで、それはいずれはオリジナルになります。

オリジナルは模倣から生まれます。

いいと思うことはどんどん取り入れ、自分のお店に合ったものに作り替えいけばいいんです。
成功例を真似て失敗したという経験を皆さんはたくさんあると思いますが、それはそのままそっくり模倣するからです。

本質を真似て、形や表現方法は自分なりに、自店に合ったものにしなければ、どんなに素晴らしい成功例であっても、役には立ちません。



それでは今日はこれで。
ご質問も受けています。どんなことでも結構です。
このブログのコメント欄か下記のメールあてにどうぞ!
k1948f@nifty.com

また、経営や販促のご相談は24時間365日いつでも対応しています。
お気軽にお電話ください。
027-261-6617までどうぞ。

また、上記へのご意見やコメント、お問い合わせは下記メールまでお願いします。
k1948f@nifty.com
このブログに載せることはありませんので、忌憚のないご意見、感想をお待ちしています。

▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。
お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング

繁盛店になりたいか!

「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所

http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)