年を重ねるごとに日常生活での諸動作が鈍くなるのは自然現象だが、爺も時には周囲に迷惑をかけている行動もあるだろう。
最近、電車やバスの乗り降り、財布からのお金の出し入れ等、お年寄りの鈍い動作を見ても、「どうぞ、ごゆっくり、気をつけて」等々、余裕の言葉をかけるようになり、我ながら変わったなと実感する、若いころなら、今風で言う「むかつく」ことも多かったろうに。
若い頃の同僚で動作の鈍いのが居り腹の立つことも、同僚なら声を荒立てることもあるが、上司となると、そうはいかない、Y氏もその一人、全ての行動そのものが、急がず、ゆっくりと、丁寧で、出張時の朝、忙しい時間帯での洗面、着替え、朝食、出発の流れ、かなり気長な人でも歩調が合わない。
丁寧な歯磨き、良く噛みしめる朝食、スーツの念入りなブラッシング、ネクタイの結び目の調節、一糸乱れない髪の手入れ、出発直前にトイレに向かうご仁だったが、彼の地への旅立ちは生前に無かった早めの出発だったと聞く。