SLと呼ばれている蒸気機関車D 5 1、走る姿は、石炭を食べ、水を飲み、息せき切って突っ走る生き物だとSLファンの表現は正にそのとおり、今は観光列車として活躍している。
見る度に、D 5 1の機関士だった親父の勇姿と、少年時代の大半を過ごした黒い木塀に囲まれた2軒長屋の鉄道官舎を思い出させてくれ、爺の心の中に永久保存されている。
昨年、D 5 1の定置場だった坂町機関区と鉄等官舎の跡地を訪れた、車庫も官舎も姿は無く、転車台と給水塔と機関区の守護神であり、遊び場でもあったお不動様だけが昔の姿のままだった。
転車台で方向転換中のD 5 1、給水塔から水を補給中のD 5 1、機関区内の空き地で遊んだ仲間達を思い浮かべながら、お不動様に静かに長いこと手を合わせてきた。