大東亜戦争末期の昭和20年8月、旧制中学1年生だった。爺の田舎でも8月に入ってからは、殆ど毎晩アメリカの飛行機が飛んでくる日が続いた。あの時の恐怖感を、はっきり覚えている。
敵機が近づくと、サイレンが鳴り響き、消防団員が叫ぶ警戒警報発令の声を聞くと自家製の小さな防空壕に避難した。防空壕の中で爺と妹は母親に抱えられながら、警報解除されるまで震えていた。
8月15日の終戦は向かいの中林さんから、「戦争に負けたよ」と言われて知った。子供心に、敗戦の悔しさか当日の食事が進まなかったが、久しぶりに安心して、朝まで、ぐっすりと眠った。
16日、政府から全国に緊急事態宣言は現代の警戒警報発令である。みんな一丸となって平和を乱す見えない敵と戦わなければならない。戦時中の標語「欲しかりません勝つまでは」の再現である。