喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

絶品のマーマレードをいただく ~ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会の受賞作品~

2021-11-10 | 

 マーマレード。柑橘農家でありながら、作ることも食べることもめったにない。
以前、親戚の濱田のおばちゃんが作ってくれたことを覚えているくらい。


 ところが、以下のような記事を見つけた。

 イギリス人にとってマーマレード作りは年に1度の儀式のようなもの。
セヴィルオレンジが出回る1月、人々は大きな鍋でたくさんのマーマレードを作ります。
今年の出来は?色は?味は? 
春の訪れを待つキッチンは柑橘の爽やかな香りとオレンジ色に包まれます。

そんなマーマレードに光を当てたのが、2006年に始まったマーマレードのコンテスト、
「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル」。
第1回はほんの数十瓶だった応募数は、現在では世界40カ国から3000を超えるまでになり、
春直前のイギリスの人気イベントへと成長しました。

この「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル」の記念すべき第1回 日本大会が
愛媛県八幡浜市で開催されたのは2019年5月のこと。
初の開催にも関わらず1600を超える作品応募があるなど、大盛況のうちに幕を閉じました。

残念なから2020年の第2回大会は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが
2021年の第3回大会は、最大限の感染拡大対策を取りながら
実施する運びとなりました。

 

 以下、第3回大会の様子。
地元、三崎高校生もすばらしい賞を獲得するなど大活躍。

 

 この他、地域の方も受賞された方がおられた。
そんな一人、大石さんにたまたま出会い、マーマレード作りの話に花が咲いた。
そして何と、「もう少しだけ残りがあるので、食べられますか?」の声。
もちろん、少し遠慮しながらも、めずらしいマーマレードをいただいた。
清見タンゴール、デコポン、はるみで作った逸品。
田舎には、こんなことがあるからうれしい。


 食べるのももったいないなく、見つめているだけで幸せな気分にひたれた。
5月のさわやかな岬にピッタリ。
柑橘の味わい方として、まだまだたくさんありそうだ。

 これから、この逸品を少しずつ味わっていきたい。

 

               岬人(はなんちゅう)

 

 

 

 


おもてなしの心が宿る三崎の「ゑびすや旅館」

2021-07-11 | 

 7月9日(金)。

佐田岬を訪れたお客様4名のおもてなしのために、三崎の「ゑびすや旅館」を利用させてもらった。

 

 昭和の雰囲気漂うそのたたづまいとなつかしい道具の数々。

おじいちゃん・おばあちゃん宅に久しぶりに「ただいまー」

と帰って来た空気感。

そんな様子に居心地の良さを感じられたお客様。

 

 そして、夕食。久しぶりのえびすやの料理だ。

地元でとれたお刺身の盛り合わせ。

「えー、これ一人分ですか!」

 

 うにと青さが乗った茶碗蒸し。

「わー、おいしそう。」

 

 魚の肝の天ぷら。地元の黒目塩を付けていただく。

初めての味に驚きの声。

 

 出来立ての温かいものが続く。

旬の魚イサキの煮つけ。食べるのに一生懸命で写真を撮るのを忘れてしまった。

 併せて、サザエのつぼ焼きも。

 

 太刀魚の炙りだったような。

夏らしい味。

 

 

 タコの酢の物。味噌との相性が抜群にいい。

 

 一品、一品に感嘆の声が上がる。

そして、「心もお腹もいっぱい」状態。

「最後は、ご飯です。」の声にもとまどいが感じられたが‥

運ばれたご飯を見て、また感激の声があがった。

「こんな締めのごはん、初めて。」

 こんな地元のおいしい料理と八幡浜、梅美人のお酒「漁師の酒」を飲みながら、

話は大いに盛り上がった。

 宿の女将、大女将、そして料理人のお父さん。

その一つ一つのものや掛けられる一声一声におもてなしの心が宿っている。

 佐田岬の「ゑびすや旅館」。

こんな宿があることがうれしい。

 

          岬人(はなんちゅう)

 

 

 

 

 

 

 

 


少年の日のお祝い ~紅白饅頭づくりへの思い~

2021-02-04 | 

  2月4日、四国最西端の三崎中学校では、少年式が行われた。
お祝いの紅白饅頭を地元の田村菓子舗に注文。
快く引き受けていただいた。
その際、饅頭作りの思いやこだわりを聞いてみた。

 

(田村菓子舗3代目より)
 製法は混ぜすぎて生地が硬くならないように。
材料は山芋、もち粉をいれて柔らかく硬くならないように、もっちり感が若干、感じれるように作りました!
日にちがたっても、柔らかいと思います、一般のものより。

 今回、すべて実は私が作りました!親父のレシピに新しい要素を加えて。
今、父が弱りはじめ、①「伝統」を歴史を引き継ぐ、あたらしい風をいれる。
②「革新」をテーマに製造させていただきました!
 先人の歴史、人生の上にわれわれは立ち、今を生きている。
そんな想いでした。
「守破離」を意識する毎日です!


 この思いを聞いて、饅頭をいただく。
おいしい。
そして、うれしい。

 ものづくりには、物語がある。
つくられる人の思いを大切にしたい。


 岬には、物語がある。

 

   岬人(はなんちゅう) 


パンはごはん?それともお菓子? ~自家製酵母パン Coccinelle (コシニール)~

2018-01-29 | 
 パンはご飯?
それともお菓子?

 田舎生まれで、農家の息子の私にとっては、
「パンは食事」という感覚があまりない。
何か物足りなさを感じる。

 27日(土)、松山での予定の時間までには、まだゆとりがあったので、
ふだんあまり行かないパン屋を訪ねた。
店名は、Coccinelle (コシニール)。
 この日は、昼食をとっていなかったので、昼食代わり。

 目をひく店の外観。
そして窓が多い、明るい店内に入る。

 たくさんの珍しいパンが並んでいる。
選ぶのに困る。

 決めかねていると、店員さんの声が聞こえた。
「焼きたてのパンができあがりました。」
 ふり向くと、店員さんと目が合い、
いかにもおいしいですよ、と目で訴えてくる感じ。

 迷わずそれに決めて手に取る。
ズシッとくる重さ。
そしてチョコレートたっぷりで、あまーい香りが漂う。

 


 初めての味わいだった。
 コシニールのおいしいパンを味わいながら、
昔、田舎にもトラックで音楽を鳴らしながら売りに来ていた「ロバのパン」をなつかしく思い出す。

 そしてそれ以上に最も食べているだろう、
二名津の「田村のパン」を思い出す。

 まちで人気のパンと
引き継がれてきた田舎パンの昔からの変わらない味。

 そんなことを考えながら食べていたら、
お腹も心も大きく満たされていた。

 また食べに来たいパン屋さんだった。

          岬人(はなんちゅう)
 

おばんざいの店「まる」

2017-12-28 | 
 昨夜、ちー兄に誘ってもらい、数人で八幡浜で忘年会。
一次会は、最近オープンしたという「まる」。
おばんざいの店。
 
 カウンターには、大きな器に入った煮物、酢物などが並ぶ。
厨房には、元気のいいお母さんが3人。
心も体も「まる」
 とても居心地のいい店だった。
最近は、チェーン店が多いので、なおさらそう思う。



 ところで、「おばんざい」とは?
日本大百科全書(ニッポニカ)によると。
 
京都で日常的に食べられているおかずをさすことば。
古くからの商家や旧家が多かった京都市中心部では、切り干し大根やひじきのような乾物、
おから、旬の野菜などを食材にした、
平生から食べ慣れたおかずのことを「おぞよ」や「ぞよもん」、「おまわり」とよんでおり、
魚などの比較的高価なおかずはこれらと区別して「お焼きもの」などとよんでいた。

 おばんざいとは、このような日常的な総菜の総称である。
京都では、かつては新鮮な魚介類の入手が困難であった一方で、
塩干物、乾物、豆腐、旬の野菜や山菜などを使った料理が、禅宗の食文化の影響を受けながら発達してきた。

 おばんざいは、昆布や鰹節のだしのうまみを生かし、安価な旬の野菜や乾物を調理する点に特徴がある。
今日では、京都にみられるだしの味を生かした総菜や酒の肴などを表すものとして世間で広く使われるようになった。


 「おばんざい」は漢字では「お番菜」が一般的であるが、お晩菜やお万菜と書くこともある。
「番」の文字には、日常的な、粗末な、といった意味がある。

 
 商家などの町衆や奉公人の質素倹約を信条とする慎ましい暮らしとともに、
町内や家ごとの年中行事や習慣のなかで育まれてきた料理である。
 そのため、野菜の葉や表皮、だしをとった乾物の残り物などをむだにせず、上手に使い切る。
このくふうを「始末する」といい、おばんざいの特徴になっている。」


               岬人(はなんちゅう)