13年前の平成15年度文部科学省日米国民交流・若手教員としてアメリカ派遣された。
派遣先は、ロッキー山脈ふもとのコロラド州。
州都デンバーやフォートコリンズで10名の仲間とともに2カ月以上過ごした。
7月30日、その仲間との同窓会を松山で開いた翌日。
松山国際ホテルでゆっくりとした朝食をとり、最後の時間を楽しんだ。
少しでも愛媛の良い所を感じてもらいたいということで、道後を少し散策。
道後温泉本館を車中から観て、山の手マリアージュガーデンへ。
ここは私がゆっくりとしたいときによく足を運ぶ癒しのスペース。
3人もこの空間を気に入ったみたいだ。
静岡出身の亀ちゃんをJR松山駅に送る。
「またねー」
これがいつものあいさつだ。
それでもやはり寂しさ感じたのは私だけではないだろう。
亀ちゃんがブログに次のようなコメントを書いてくれた。
「"再会には力がいる"確かにその通り!
それでも会いたい仲間。まさにそんな仲間との再会とってもうれしかった。
何もできない自分だけど、そうやって力を出してくれる仲間。
自分も少しでも力になりたいそんな仲間。
とっても幸せに感じる。」
感激する。
だからさらに大切に思える。
亀ちゃんを見送った後、車を佐田岬に走らせた。
伊方中学校グランド等で行われていた「きなはいや伊方まつり」をのぞく。
体育館では生活向上グループの女性たちが、地元食材を使った手作り料理をふるまっていた。
知り合いから「ここ、ここ。おいでおいで。」
と言われるがまま進むと昼食になるくらいの料理をいただいた。
春ちゃんや因ちゃんが、
「こんな祭りがいいな。地域を大切にしている感じがすごく伝わる。」
そんなうれしい言葉を言ってくれた。
地元の私には感じられなかったことだった。
伊方といえば、お酒を造る杜氏で有名。
お楽しみの試飲コーナーもあり、私は冷たい甘酒をいただいた。
因ちゃんは、少しずつ多くのお酒を味見していた。
ほろ酔いかげん。
車は、メロディーラインという佐田岬半島の尾根を走る国道を西に向かう。
道の駅で土産を買い、尾根からの景色を観るために屋上に上る。
屋上のドアを開けたとたん、目に飛び込んでくる大パノラマ。
右手に瀬戸内海、左手に宇和海(太平洋)。
因ちゃんは、興味ある伊方原発を撮影。
この景色に2人とも感激の様子。
さらに尾根を進み、途中国道を尾根に上がり、権現山へ。
見下ろすのは、三机。
太平洋戦争で特殊潜航艇による真珠湾攻撃の訓練が行われた場所。
さらに寄り道し、佐田岬リゾートに住む知り合いの大利さん宅へ。
1,000坪の庭を自由に開放し、誰でも散策できるようになっている。
家族ずれの先客がいたが、いつものようにおもてなしをしていただいた。
この自然いっぱいの暮らしに、春ちゃんは感動していた。
「大利さん、また必ず来ます。」
と約束までした因ちゃんのために、宿泊施設の瀬戸アグリトピアのコテージを紹介。
最高の見晴らしだ。
そしていよいよ最後は私の実家、平礒へ。
車を止めるとちょうど父がいて紹介。
自称、石垣の郷と呼ぶ集落を少しだけ案内した。
さまざまな石垣がきれいに積み上げられた独特の景観に二人は興味津々。
かけ足ながら二人にはポイントを紹介した。
二人の口から
「すばらしい豊かな自然。そしてそれ以上にここに住むすばらしい人たち。
サムさんがそんな性格になるのがわかる。」
そんな言葉に、この上ない喜びを感じた。
ならばもっと多くの人に、じっくりとふるさと佐田岬を感じてほしい。
そして心豊かに、体元気になってほしい。
そんな場所として、佐田岬は大切なところなのかもしれない。
愛媛の旅の終点は、大分市佐賀関行きの三崎フェリー乗り場。
おもてなしをするつもりが、二人からいろいろな気づきと元気をもらった。
フェリーに乗り込む後ろ姿を見送りながら、この思縁をずっと大切にしていきたいと思った。
「じゃあ、またねー。」
寂しい思いのなかに、次の再会の楽しみがわき起こる。
岬人(はなんちゅう)