4年前の平成26年(2014年)2月14日(金)のブログを読み返してみた。
寒くなったり、温かくなったり、三寒四温の季節。
一気に暖かくなるのもいいが、こんな時期も趣があっていい。
道後、石手寺という歴史ある地域を歩いて感じたことを綴っていた。
「世の中は、バレンタインデーということでうきうきしている日。
松山で愛媛県内から集まった150人の前で、プレゼンをすることになっていた。
道中、長浜・双海あたりでは北西の風がきびしく、護岸に打ちつけられた波しぶきがあがっていた。
そして見上げれば、山の上のあたりはうっすら雪化粧。
プレゼン内容を巻き返しくり返し、シュミレーションし準備した。
何とも重いバレンタインデー。
でもその甲斐あってか、本番ではあまり緊張することなく、
かえって熱くなるような場面さえあった。
こうして何とか務めを終えることができ、肩の荷もおりた。
その夜は、関係者といっしょに松山の夜を満喫した。
昼間の延長のような熱い時間だった。
そのせいか、いつものように酔うことなくベッドに。
そして疲れのせいか、ぐっすり。
翌朝15日は、さわやかな目ざめだった。
天気も落ち着き、プチ旅行気分を味わいに道後を散策することにした。
まず向かったのは、一度行ってみたかった「石手寺」。
四国八十八カ所51番札所で、境内ほとんどの堂塔が国宝、国の重要文化財に指定されている壮観さ。
それに寺宝を常時展示している宝物館を備えており、四国霊場では随一ともいえる文化財の寺院。
それらに見とれていると、ひとりのおばあちゃんに声をかけられた。
「お接待、いただきませんか。」
地元のお大師さん信者のみなさんが、白装束に身をつつみ、お接待をしていた。
何とこの日は、お釈迦様の命日ということだった。
せっかくなので、お接待のあられをいただき、お参りをした。
信者のみなさんは、それからもお参りに来られた多くの人に声をかけ、お接待。
お堂の中から鉦の音色といっしょにご詠歌が聞こえてくる。
それに心ひかれたのか、一人の女性が見入っていた。
その女性におばあちゃんが何やら話しをされている。
背中には「南無大師遍照金剛」の尊い文字。
おばあちゃんの話しにうなづきながら耳を傾ける女性。
ふたりの女性の美しい光景だった。
そんな温かい思いで、寺の隅々、回廊にいたるまで歩いた。
次に向かったのは、伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)。
下から見上げる美しい階段。
国の重要文化財に指定されている社殿は、全国に3例しかない八幡造。
その後、昨年の夏の火災でなくなってはいたが、一遍上人が生まれた宝厳寺にも足をのばした。
かなり歩きお腹も減ったところで、これまた一度行ってみたかった「道後やや」のお昼をいただくことにした。
全てを愛媛県内の地産地消にこだわりつくしたもの。
ビュッフェ形式を取り入れているのだが、デザートの柑橘だけでも
みかん、伊予柑、デコポン、はるみ、清見…など8種類ほどあった。
器は、砥部焼。
少しずつ取って食べてもお腹いっぱい。
心もお腹も満たされた道後散策。
前日のプレゼンのごほうびのようだった。
私のふるさとも、このような温かい、こだわりのあるふるさとにしていきたい。」
岬人(はなんちゅう)