ちょっと前の振込み詐欺あたりに始まり、最近はそういう手口の勧誘がますますひどい方法を
取るようになってきている。
1ヶ月ほど前の日曜日、家に電話がかかってきた。休みで家にいた俺が電話を取ると、ものす
ごく普通の感じの女性がものすごく当たり前のように、「浄水器のフィルターの交換時期がきま
したのでご連絡させていただきました」と言う。確かに、ウチにつけてる浄水器のフィルターは
1年ごとに交換になっていて、もう数年に亘ってそのフィルターの業者さんはきちんと1年毎に
連絡をくれ、交換にも来てくれていたので、俺は「ああ、そうですか、ではお願いします」といい
そうになった。でも、一応業者さんの名前を確認しておこうと思って、「ところでどちらの業者
さんでしたっけ?」と聞くと、その女性が「○○です」と答えた。でも、うろ覚えながら、なんか
俺の覚えていた業者さんの名前と違う気がする。で、ちょっと電話口に手でフタをして、近く
にいた嫁に、「いつものフィルター交換の業者さんの名前なんて言うたっけ?」と聞くと、嫁が
「○○産業さんよ」と言う。「あれ、違うやん・・・まさかこの業者そんなとんでもないカマをかけ
て電話をしてきよったんか?と疑問が怒りに変わり、思いきり文句言うたるぞこのボケー!!」
と思った瞬間、電話は切れていた。
恐らくこの業者は今時ほとんどの家に浄水器があることを逆手にとり、このフィルター交換の
時期です、という「誘い文句」であちこちの家に電話しまくってんやろう。それで、「お願いしま
す」なんて言おうもんなら家に押しかけてきて、出張費だなんだと、もう無理やりにゴリ押しを
する気だったに違いない。俺もあやうくひっかかるとこやったけど、まったくもってもう情けない
というのか、アホもここまできたら終わりというか、恥知らずも甚だしいというか、最低のまだ
下の人間がいるのよね。
それでもまだ俺達はいい。なんだかんだと言ってそのあたりの詐欺には引っかからない自信
があるから。でも俺のおふくろのように年をとった人はそうはいかない。80年近く苦労して生
きてきて、もう何もかもから解放されて信頼できる周りの人に支えられて悠々と人生を生きて
いいはずのお年寄りが、なにか誘い文句がある度に「これは嘘かも知れん」なんて考えなあ
かんのはあまりに可愛そうすぎるやんか。
今は、このように年寄りを敬うことが出来ない奴や、人生の大先輩をゴキブリ呼ばわりする奴
らが、世の中に堂々とのさばっている。
どうしようもなく狂ってきてる世の中やけど、だからといって、この世を嘆くだけではこいつら
よりもっと最低の人間になってしまう。
今こそ「自分力」が最も求められてる時のような気がします。