最近、ギター運が良くて、いいギターが俺の周りに集まってきてくれる。
もちろん、その中には大金を出して買ったものもあるが、「このギターよかったら弾かへん?」
ということで、人が親切に俺の所へ回してくれたギターもあり、今手元にあるギターはエレキが
3本、アコギが4本、ガットが1本。
しかも、それに加えて友達が違う種類のアコギを2本持っているので、一緒に演奏する時には
10本のギターが揃うことになる。
常々、「いい音がするギターを持ってる」と言うにはひとつの種類で、最低3本以上の違った音
色のするギターをもつ必要がある、と思ってはいたけど、今その環境が整った状態になった。
なぜ3本かというのは、特に3本ということにこだわっているわけじゃないけど、ギターには「曲
に合った音色」があるわけで、音色の異なるギターが3本ほどあれば、ほとんどのジャンルの
曲に対応できるという意味合いで。
まぁそういうことから、50歳になった今、ようやく「ええ音がするギターを持つ」はどういうことな
のかがやっと分かり始めたとこなんやけど、これとよく似たことを、敬愛するギタリストのCharと
押尾コータローさんが全く違う言葉でものの見事に表現していて、今その二人の偉大さに改め
て感心している。それはどんな話かというと…
まず、Char。あるインタビューで「今回のアルバムの〇曲目に使ったアンプはなんですか?」
と聞かれた時に「そんなの知らねーよ」と答えていた。
まさか知らんわけないはずやねんけど、まさしくこれは楽器や機材のことなんて大したことじゃ
なく、“俺が出したその音”が大切なんだということを言ってると思うねんな。それを「知らん」と
いう所がCharのロックギタリストとしてのスタイルであって最高にカッコええとこ。演奏の素晴ら
しさと併せて、そういう生き方全てがプロのロッカーである所が俺が最もCharを敬愛する理由や。
次に押尾さん。これはあるWEBサイトで言うたはったんやけど、ギターの選び方について。
「ギターは見て触ってこれがええと思うギターを買えばそれでええんです。“音がええとかどうか
なんて分かりません”」と。
これも今思うとなるほど!と思える名言やねぇ。つまり「いい音はひとつじゃなく、その人がいい
と思った音がいい音なんや」と言うたはるわけやね。これを「音がええとかどうかなんてわから
ん」という言い方をする所にまたこれも押尾さんのギタリストとしての職人魂が感じられて、尊敬
に値する。
でも、俺ももこんな偉大な人達が言っていたことをようやく少し理解できるようになってきたと思う
となんかものすごく嬉しいなぁ。やっと「ギターを弾くお許し」みたいのをもらったような気になる。
ということで、今もあと5本ほど欲しいギターがある。もっとも「ギターを買うお許し」をもらうのは
とんでもなく難しいけどね。
PS:今“そばに”あるギターの紹介
【エレキ】
●Gibson ES-335
ブルースやジャズっぽい(弾かれへんけど)音楽をするには最高。「これしかあかん」という居場
所を持ってるギター。一度人に売ったが、弾かなくなったギター1本+愛用ギター1本の計2本と
交換してもらい最近手元に戻ってきた。
●Fender ストラトキャスターThinラッカー
Charやエリッククラプトン等そうそうたるギタリストがメインギターとして使っている定番ギター。
エッジの効いた音色は繊細かつ大胆で、あらゆるジャンルに活躍する。5年ほど前に購入。
●PRS CE-22
サンタナのメインギターとして有名。高級感溢れる外観、レスポールのような図太い音からスト
ラトのような細い音まで出せる幅広さと抜群の弾きやすさ。1年ほど前に中古で購入してからは
これが俺のメインギターになってる。
【アコギ(エレアコ)】
●Tayler 814CE
なんというか、まさに「鈴鳴り」という表現がピッタリくる。こんなに高音が美しく伸びるギターは
みたことないね。なんとも「色っぽい」音がして、ロック以外なら何でもこい。1年ほど前に5年ロ
ーンで購入。今最も気に入っているアコギ。
●Ovation shallowbody
とにかく個性豊か。一聴してオベーションと分かるその音色はロックに最も向くが、これでバラ
-ドのバッキング等をしてもまた面白い。そういう存在だけに弾く機会は多くはないが、これも
「これしかあかん」を持ってるギター。たぶん15年位前に中古で購入。
●YAIRI YW-600
高校生の頃初めて自分でアルバイトをして6万円で買ったギター。 この時代のギターには今は
伐採禁止になっているハカランダという高級な木材が使われ、YAIRIの丁寧な作りもあってもう
35年近くなるのにネック の曲がり等一切なく抜群の弾きやすさを保っている。長い年月をかけ
て弾き込んできたこともあってとてもよく鳴る、よく言えばビンテージギター。Lrbaggsのピック
アップを取り付けエレアコとしてTaylerの次によく使っている。
●YAIRI CLASSIC ce-62
ヨメのギター。クラッシックギターの音色はよく分からんかったけど、このギターを弾いてみて
ガット弦のギターもまたええなあ、と思った。アンプを通した時の音も原音に近く、さすがYAIRI
といったところか。最近購入。
●(Gibson J-50)
( )がしてあるのはお預かりしているギターやから。
ウチのバンドリーダーだった(4年前に亡くなられた)方が持っていたギター。ずっとご遺族の元
に置いてあったが、誰かに弾いてもらえるのなら・・・というご遺族の意思もあり、お預かりしてきた。
これで、またバンドコンテスト等に応募して故人とご遺族にギターが生き続けていることをご報告
したい。 音は図太く張りがあって、ロックやカントリー等に最適な存在感抜群のギター。
●(Martin GT16-GE)
( )このカッコは友達のギターやから。
なんたってマーチン。コードを弾いた時にも一音一音が混ざり合わず、ハッキリと聞こえてくる。
曲を選ばずオールマイティーに使えるところはやっぱり素晴らしいと思う。
●(YAMAKI 12弦、ピックアップなし)
( )同じく友達のギター。
12弦はこれ1本しか近くに存在しないので、一番良くもあり悪くもあるギター。レコーディングを
楽しむ時、音に厚みが欲しい場合にスポット的に使っている。