今それぞれに巣立った娘が2人、実家、つまり俺の家にに帰ってきている。
それぞれに事情があって、短期的にいるだけで、すぐまた独立した場所へ
戻っていく訳やねんけど、先日俺はその娘たちに説教をたれた。
まぁ、内容まではここでは差し控えるけど、娘達がいわゆる節度に欠けた行
動をとろうとしていたので、未然に注意したわけよ。注意した内容は客観的
に見ても正しいことやし、俺に非があるとすれば、ちょっと言い方がきつかっ
たかな、くらいのことやねんけど、それでえらく娘達がご立腹で、嫁から聞くと
もう二度とお父さんの顔なんかみたくもないし、口も利きたくない、というてた
らしい。
どうも言われた内容より、言われ方に腹を立ててるみたいで、全くなんという
のか、とても二十歳を越えた大人のすることじゃない、とは思うんやけど、まぁ、
そういう感情むき出しにできるのが親子の関係でもあるわけで、それはそれ
でええのかも知れんけどね。
いずれにしても俺は父親として子供に好かれようなんてことは一度も思った
ことはなくて、嫌われようがうっとうしがられようが、親として子供を成長させ
るような言動をすればいい、と思ってきた。
だから当然今回のことでも、後悔なんかしてないし、言い方だって親としてビ
シッというただけのことであり、なにも正す必要はないと思ってるわけで、つ
まり、嫌い、顔もみたくないと言われれば、それならさっさとこの家から出て
行けというだけで、それは本望。上等やないかい、ということや。
俺も親に何度も逆らってきたけど、俺が父親として年齢を重ねてきて、やっと
親に「いつか分かる時がくる」と叱られた内容が分かるようになってきた。
きっと二人の娘達もいつか俺の言ったことを分かってくれる―理解から納得へ
変わる―時がくるやろう。
だから最愛の娘たちよ、その時がくるまで、とにかく父親を何と思おうが勝手
やけど、社会の一員として人に迷惑をかけず、思いやりのある、しっかりと自
立した人間になるよう、努力することだけは忘れずにいて欲しいと思う。
「憎まれ甲斐」くらいは、せめて父親に残しといてくれんと困るしね。