フクロウの生息する高原・清里より

八ヶ岳と周辺の生き物を紹介

ルリホコリと変形菌

2024-12-07 17:26:59 | Slime molds
森の中は乾燥し、落ち葉を踏むとパリパリと音を立てて割れるが、湿気のある場所にはまだ変形菌が見られる。
アカマツの朽ち木に発生したルリホコリ
大量に発生していたが、子嚢が割れていたりカビが生えていたものが多かった。
ツチアミホコリ
短い柄が確認できる。
エツキケホコリ 
濃い褐色から黄土色へ色が変化している。
ムラサキホコリかカミノケホコリの仲間
キララホコリは健在
11月以降は、森の中で見つかる変形菌の半分以上がキララホコリ。
キララホコリの周囲をよく見ると、別の変形菌が見つかることがよくある。
左の黒い小さい子実体はバルベイホコリと思われる(右側は未熟なキララホコリ)。
10月に撮影したもので、撮影した時は気付かなかったが、写真を整理していて見つかった。
極めて小さく(子嚢の直径0.1-0.2mm)黒いので、肉眼ではまず見つけられないし、ルーペを使っても難しいだろう。
他の被写体の近くにいて、ようやく認識できるやつ。

タマジクホコリ(Didymium bulbillosum)と変形菌

2024-11-30 17:15:47 | Slime molds
八ヶ岳は冠雪し、森の中には霜柱が立っていた。
寒い時期にタマジクホコリが見られるとは思っていなかった。
アミホコリの仲間。杯状体は暗褐色(あまり朽ちていないカラマツの倒木に発生)
同じ菌
パンフウセンホコリと思われる。
子嚢壁の石灰粒が剥がれ、構造色が見られる。
キララホコリは高頻度に発生し、たくさん見られる。
キララホコリと思われるが、ドーナツ型
不明(朽ち木上の苔に発生)。子嚢は薄茶色、柄は橙褐色
同じ菌

変形菌は少なくなり、年内の観察はほぼ終了。
今年の夏から変形菌の観察を始め、およそ60種を見つけることができた。
変形菌の多い場所が分かってきたので、来年は効率的に撮影できるだろう。

ムラサキアミホコリ(Cribraria purpurea)と変形菌

2024-11-23 16:09:44 | Slime molds
今週は初雪が降り、連日氷点下まで冷え込んでいる。
厳しい冬の始まり。
ムラサキアミホコリ
コメツガの朽ち木に大量に発生していた。

タマジクホコリ 
朽ち木に大量に発生していたが、子嚢壁はほとんど残っていなかった。
メダマホコリとキララホコリ
キララホコリ
パンフウセンホコリ
細毛体が伸びたヘビヌカホコリ
ケホコリの仲間
マメホコリ

キララホコリ(Diderma tigrinum)と変形菌

2024-11-16 16:18:09 | Slime molds
キララホコリの子実体
4週前に黄橙色の変形体がここに現れてから継続的に観察してきた。
朽ち木は日陰でずっと湿っていたので、子実体はゆっくりと成熟し、良い感じに仕上がった。
石灰質鱗片が銀箔のように輝いている。
鱗片の最終形態は、湿度などの条件に影響されるかもしれない。


青灰色の子実体は未熟なパンフウセンホコリと思われる(切株の側面に発生)。
(同じ切株に白いパンフウセンホコリの子実体も多数見られた)
茶色い子実体はケホコリの仲間
不明変形菌(枯れたサワグルミの洞に発生)
子嚢の大きさにばらつきがある。
瑠璃色や紫色が見られるが、柄は確認できなかった。
ホネホコリの仲間(倒木に生えた苔に発生)
不明変形菌
拡大したもの
10mほど離れた斜面の上からニホンカモシカがこちらを見下ろしていた。
晩秋の渓谷

キララホコリ(Diderma tigrinum)

2024-11-03 20:11:48 | Slime molds
2週間前から、森の中のあちこちにキララホコリが出没している。
成熟段階により子実体の色や形状が変化する様子をまとめてみた。
子実体の形成初期
変形体から形成中の子実体が盛り上がってくる。
太い柄が形成される。
子実体の外形が完成。
鮮やかな黄色で光沢があり、とても目立つので見つけやすい。
褐色になる。
子嚢は黒くなり、石灰質鱗片の析出が見られ始める。
石灰質鱗片が集合し、結晶のような模様を形成する。
花柄の蒔絵みたい。

青と黄色のブドウフウセンホコリ(Badhamia utricularis)

2024-10-26 17:22:03 | Slime molds
美しい青色のブドウフウセンホコリの子実体
立ち枯れた広葉樹に発生していた。
ぶどうの形状に似るが、ブルーベリー感もある。
未熟で黄色い子実体。同じ木の低い場所に発生。
粉を吹いた果実のよう。
細い柄が分岐するため、房のような構造になる。
キノコナカセホコリとも呼ばれ、きのこを食い荒らし、栽培きのこに被害を与えることもあるという。
この枯木には、エノキタケが大量に発生していた。

ルリホコリ(Lamproderma columbinum)と変形菌

2024-10-26 17:11:49 | Slime molds
ルリホコリの未熟子実体(ルリホコリ属の別種の可能性もある)
メダマホコリとキララホコリの子実体が発生した朽ち木に2本だけ未熟子実体が確認できた。
成熟した子実体
肉眼的には、ほぼ黒い粒で、しかもとても小さい(1mm以下)ので、見つけるのは難しい。
メダマホコリの未熟子実体がひとつだけ見つかった。
キララホコリの未熟子実体
1週間前に橙色の変形体が多数這っていた朽ち木を見ると、キララホコリの子実体が大量に発生していた。
子実体の形成初期
キララホコリの変形体と思われる。
右端で子実体の形成が始まっている。
左の変形体は朽ち木を移動中、右の変形体は子実体を作り始めるところと思われる。
クダホコリ
ドロホコリ?
ドロホコリの仲間
マメホコリ
ヌカホコリ
不明変形菌の未熟子実体

メダマホコリ(Colloderma oculatum)と変形菌

2024-10-19 16:46:33 | Slime molds
朽ち木に橙色の変形体がいたので拡大してみると、メダマホコリの未熟子実体が点在していた。
子実体はとても地味で小さく、変形体がいなければ気付かなかっただろう。
(追記:後日の観察から、変形体はキララホコリと思われる。)
厚い透明なゼラチン質の子嚢壁に包まれた黒い子嚢が確認できる。
両生類の卵を思わせるユニークな形状。
キララホコリの未熟子実体(メダマホコリと同じ朽ち木に発生)
柄ががっしりしていて、きのこのよう。
クダホコリの仲間と橙色の変形体
大きな黄色いクダホコリの仲間
白い未熟なクダホコリの仲間がたくさん見られた。
橙色の変形体とケホコリの仲間の子実体
橙色~黄土色の変形体があちこちで見られた。

パンフウセンホコリ(Badhamia panicea)と変形菌

2024-10-19 16:37:40 | Slime molds
パンフウセンホコリの子実体
苔の生えた切り株の側面に発生
別の場所の複数の立ち枯れた木でも見られた。
エツキケホコリの未熟子実体?(アカマツの朽ち木に発生)
4日後に同じものを撮影
橙桃色から濃い褐色に変わり、子嚢の半分くらいまでの深い杯状体が確認できる。
同じ菌?(同じ朽ち木に発生)
ヌカホコリの未熟子実体
ヌカホコリ
ヘビヌカホコリ
トゲケホコリ?
アワホネホコリの未熟子実体
あちこちの草木を這い上って高い場所で子実体を形成していた。
マルホネホコリ?(倒木に生えた苔に発生)
キノウエホネホコリ?(岩の上の苔に発生)
不明変形菌の未熟子実体
マメホコリ
ドロホコリの仲間

ダイダイホネホコリ(Diderma aurantiacum)の未熟子実体と変形菌

2024-10-12 17:08:15 | Slime molds
ダイダイホネホコリの未熟子実体
柄は細く、子嚢は底が平らな半球型の特徴的な形態
より未熟な子実体。地上に生えた苔の上の広範囲に広がっていた。
変形体の一部が残っているので、子実体が形成されつつある時期と思われる。
まだ柄が太く、柄と子嚢の境界がはっきりしていない。
エツキケホコリの未熟子実体と思われる。
あちこちの倒木に大量に発生していた。
エツキケホコリ(ヌカホコリかも?)の子実体
マメホコリ(右)とエツキケホコリ?(左)
ケホコリの仲間?の未熟子実体(立ち枯れた木の1mほどの高さに発生)
ガマグチフクロホコリ
立ち枯れた木に発生したアワホネホコリの未熟子実体
先月から度々出没している不明変形菌
子嚢壁のシワシワは、アワホネホコリのシワシワタイプに似るが、白く短い柄が確認できる。
変形体?
不明
不明