
毎回
mojomojoサンの
作品たち
は
頭をグリグリしたくなる
くらい⁈
シビレちゃう
世界観!
今回も
小さな絵本を
ふいに
プレゼントして
いただいた
気分になりましたよ
そこで・・・
ショート・ショート 〜旅路の果てに〜

ひとりの
旅人が
おりました
まだ見ぬ世界を
確かめたくて
カレは
旅に出ました
旅立ちの日
カレは
愛するヒトから
旅の無事を祈り
3つの小瓶を
贈られました

1つ目は
愛のボトル
「淋しくなったら
ボトルの水を
お飲みなさいな。
カラダが
抱きしめられたように
ポカポカと
あたたまりますよ。」
と
メッセージが
添えられていました

2つ目のボトルは
勇気のボトル
「天変地異や
外敵から
身を護ってくれますよ。」
と
そこにも
書き添えられていました

3つ目のボトルは
ごちそうのボトル
「空腹に耐えられなくなったなら
あなたの大好物が
目の前に現れますよ」
これには
思わず
ゴクリと
喉まで鳴る始末でした
ひとり歩み進める旅は
しばらくは
自由で
気ままで
鼻歌交じりでした
空が
地平線が
そして
水平線が
際限なく広がり
カレの
未来を
祝福しているようでした

幸福の青い鳥とも
偶然にも
出逢えて
それは
嬉しい瞬間でした
ひとり黙々と
歩みを進めているカレに
感心して
青い鳥は
云いました
「僕たちと行きませんか?
シアワセの国へ」
でも
旅人は
頑なに
首を
横に振りました
「ありがとう。
ぼくには
待つヒトと
帰る場所が
在るのです。
この旅は
ひとりでする。コトに
意味があるのです
ぼくの代わりに
この小瓶たちを
連れて行ってくれませんか?
そして
この広い空に
橋を架けるように
零してはくれませんか?」
旅人は
恋人からの
手紙だけを
旅のお守りとして
旅を続けました
そして
孤独にも
天災にも
外敵にも
空腹にも
屈するコトなく
無事に
旅を終え
愛するヒトの元へ
帰り着きました
ふたり
手に手を取り
見上げた空には
大きな虹が
架かっていました
そう
あの日
幸福の青い鳥に
託した
小瓶たちが
虹となり
虹を
見つけた
孤独な旅人たちが
あらゆる
弱さから
護られますように
と
天高く
旅の無事を
祈っているかのようでした
〜fin〜