・・・行く春や鳥なき 魚の目に泪・・・
今週から東北旅行した際の風景写真を題材に、数点の作品をお見せしたいと思う。
東北旅行と言えば松尾芭蕉が、奥州の各地を行脚し、北陸の勝を探り、「奥の細道」の紀行文を残しているが、小生の意識の中で、これが重なる。
冒頭の俳句は、芭蕉が旅立ちの地である 千住 で、送ってきた弟子、知人などとの別れの際に謳ったものだが、当時の(今から 316 年前)旅は、自分の体力と足だけが頼りのため、前途3千里の不安と惜別が去来し、離別にあたり、鳥も悲しくなき魚の目にも泪と、あらゆるものに泪をそそいだという。
作品は青森県・日本海側にある深浦町の千畳敷海岸であるが、「奥の細道」での最北が山形県の象潟のため、芭蕉はこの景色を見ていないと思う。
写画としては、極々平凡なものとなってしまった。