第276話. 気になる形(3) キャップ付きの滑らかなボールペン

2019-06-09 15:42:31 | 気になった物・形・色・店舗
湖畔人です。

久々に気になる物の形の話です。
自分はメモを良く取る人でして、裏紙にメモをしたり、メモ帳にメモをしたり、紙が無い場合は携帯にメモをしたり、着想を得た時に忘れないように直ぐにメモをしまくるタチなので、ペンは常に携帯したいタイプの人間なのですが、ペンはボールペンが良くて、且つ滑らかなものが良くて、且つキャップ付きの物が良いと思っていまして、それらの条件を満たすペンを使っています。
シャーペンで書いたものだと文字が薄くて後で読みにくかったり、またこすれて消えてしまったりする事もあるので、油性インクのボールペンが良くて、ボールペンでも滑らかなのが良くて、短期でササっと書きたい場合に力を入れて書かないと書けないのは面倒だし疲れるで余り好みでは無く滑らかなペンで無ければならず、更に自分はキャップ付きのペンが好みでして、まぁキャップの取り外しや取り付けは確かに一手間ではあるのですが、自分はペンをシャツの胸ポケットに入れる癖がございまして、考え事に集中しているとペン先がどうだったかなんて気にせずペンをポケットに納める事もあるのですが、それがノック式のペンだと、ペン先が出たままペンを胸ポケットに入れてしまうなんて言う事も稀にございまして、その結果、ポケットの角にインクの染みが出来てしまう、なんて事も過去に何度か経験がございまして、その結果、これまでお気に入りのブルックスブラザースのシャツを複数枚ダメにしてきたツライ経験が過去に何度かございまして、それら苦い体験からもう二度とノック式のペンは使うまいと心に誓いまして、それ以来、ここ何年も、いや何十年?もキャップ付きのペンを使っており、お蔭でシャツの寿命も大分長くなって来ております。
上記の条件を満たすインクの出が良くてキャップ付きのボールペンと言うと、ぺんてるのゲルインキボールペンのハイブリッドと言う型が一番条件に合っていまして、ここ何年もずっと愛用しているのですが、
実は、難点が二点御座いまして、
一つはインクの出が良くてあっという間にインクが無くなってしまう点と、
二つ目は、ペンが長すぎて、キャップに付いているペンのクリップがシャツの口の位置より位置が高くなってしまって、クリップが使えず、ポケットの中でペンが安定しない点が難点なのです。
ですので、ぺんてるさんには是非下記をご検討いただきたいのですが、インクの寿命を長くしつつ且つペンの長さを短くする為に、中の替芯を含めてペンがもっと太くて大容量で少し短いもの開発頂ければ、もっと長く使えるし、ポケットにもおさまりが良くなり更に使い勝手が向上すると思うので、ぺんてるさんには是非そうした短太版のゲルインキハイブリッドペンの開発をお願いしたいのです。それが出来た暁には、もうそれこそ世界中にこのペンの素晴らしさを伝えて廻りますので、ただで海外営業しますし、是非そうした新商品の開発をご検討いただきたいのです。今のゲルインキのハイブリッドであっても自分の中では既にNo.1なのですが、さらに太く短くなればもうアンビータブル、殿堂入りとなりますので、ここは是非、ぺんてるさんにはこの短太バージョンのゲルインキハイブリッドの開発を真剣にご検討頂けますと幸いなのです。何卒宜しくお願い致し申し上げる次第です。

湖畔人

第229話. The Queen's Window

2019-02-14 21:19:42 | 気になった物・形・色・店舗
湖畔人です。

つい最近まで知らなかったのですが、UKの誇る現代アートの巨匠であり、生ける伝説でもあるデイビットホックニー氏が、あの英国教会のウェストミンスター寺院にステンドグラスの作品を完成させていたようなのです。昨年秋に完成させていたとの事で、先日紹介したクリストのマスタバとあわせて、昨秋はUKのアート界にとってかなりホットなトピックスが目白押しだったようですね。

ウェストミンスター寺院と言えば、歴代の国王をはじめ、ニュートンやダーウィン、ディケンスなどのイギリスの歴史を彩る数多くの偉人達が眠る寺院であり、英国王室の結婚式等が執り行われる由緒正しき教会ではありますが、この現代アートの巨匠は、その一角のステンドグラスを自由にデザインできる自由を得ていたようです。

エリザベス女王の治世を祝福すると言う名目で、寺院側からホックニー側に委託された、との事で、サンザシが咲き実るヨークシャー高原の風景を、青や黄色、緑、ピンク、赤等、ホックニーらしい明るくポップな色調でステンドグラスを仕上げています。まるで南仏のヴァンスにあるマチスのロザリオ礼拝堂のようです。何とホックニーは本作品を作るにあたってipadを使ってデザインしたとの事で、手法も含めてとっても軽やかな作品に仕上げています。英国の歴史と言う重厚さを良く表現しているゴシック建築のウェストミンスター寺院ではありますが、この現代アートの巨匠は、その重々しい世界に明るく軽やかな風を吹かせる事に成功したようです。

是非、一度、直にこの目で見てみたいと思います。

それにしても、ホックニー氏も御歳81歳。多くのロックスター達と同様に、随分お歳を召されてしまいましたね。イギリスが輝いていた時代にも、一つの区切りが近づいているように見えます。寂しい限りですね・・・。

湖畔人

第215話. 自然と人工の境目 クリストのマスタバ

2018-12-02 23:57:38 | 気になった物・形・色・店舗
湖畔人です。

少し前、海外に行っていた際、BBCを観ていると、CMで芸術家・クリストの番組の番宣をしていました。クリストは、島や建造物をビニールシートで包んだり、自然の中に大きくカラフルな傘を多数配置するインスタレーションをしたり、渓谷をビニールカーテンで遮ったり、かなりスケールの大きな広い空間を使った期間限定の芸術作品を作られる方なのですが、多分、この時期にBBCがクリストの番組を組んでいた理由は、実は今年ロンドンのハイドパークの池に大きくカラフルな構造物、古代メソポタミアの古墳マスタバを真似た構造物、ロンドンマスタバをクリストが作り上げて池に浮かべているのですが、BBCは、多分きっと、この巨大で期間限定の貴重な芸術作品を出来るだけ多くの英国民に知って頂きたかったのでしょうし、クリストと言う生ける伝説とも言えるような偉大な現代美術家の芸術作品が初めて英国で見れると言うその貴重さと栄誉を出来るだけ多くの英国民に知って頂きたかったのでしょうし、且つまた単純に、この稀有なる機会を出来るだけ多くの英国民に来て見て楽しんで頂きたかったのではないかと推察しております。(その番組を観ていないので詳しくは判りませんが・・・)このマスタバは赤、ピンク、ライトブルーの綺麗な色のドラム缶を台形状に重ねた構造物でして、そのカラフルで巨大でシンプルな形状の構造物が、青空の下、緑に囲まれ、池に浮んでいるその様は、何とも言えない不思議な光景なのです。その不思議で巨大な構造物の周りを白鳥たちが悠然と泳いでいる光景は、もう最高の非日常的情景なのです。
クリストは元々、奥様のジャンヌ=クロードと一緒に、二人三脚でクリスト&ジャンヌ=クロードとして活動してきました。今は奥様に先立たれ、1人で活動されています。過去手掛けた作品は、セーヌ川にかかるパリ最古の橋をシートで梱包したり、マイアミの複数の島の周りをピンクのシートで覆ったり、ヴァレー・カーテンと言ってコロラドの渓谷をシートで塞いでみたり、ベルリンの帝国議会議事堂をシートで包んだりと、どれもこれもスケールが大きく、どのプロジェクトもその実現の為に、大変なお金が掛かっているであろう事が容易に推定されるのです。一説には、材料費だけで数億円掛かっていると聞きますし、携わる作業者の数も多く工賃だけでも相当なものだと推定されます。更に、土地や建物の権利者への説得も要る為、かなり手間と時間の掛かる、相当苦労の多いブロセスを経るようなのですが、その割には、手掛けた作品は数週間から数ヶ月の短期間で撤去されてしまうので、彼の成している事は、まるでセミの一生の如くであって、長く辛い準備期間の後、一緒の輝きを放って消えてしまうような、そんな切なく儚い仕事なのです。大変な苦労の末に一瞬の幻を見せる事を仕事としている、まるで花火師のようです。でも、ただ美しいと言うだけではなく、観る人に何かを感じさせ何かを考えさせる仕事をしていますので、哲学的花火師と言った所でしょうか?彼らは資金集めも外部に頼らず基本自分達だけで活動資金を稼ぎ出します。ドローイングやオブジェを作っては売って資金集めをするのです。そして、根気強く関係者達を説得して回り、相当苦労した末に、プロジェクトを実現させているのです。頓挫するプロジェクトも少なくないようで、かなり根気の要る泥臭い仕事のようです。でも、どうもクリスト自身は、その泥臭いプロセスをとっても楽しんでいるようで、彼は、もしかすると、彼のアートを実現するその過程をも、見せ物として、アートとして捉えているのかもしれません。彼の仕事のプロセスを我々に見せる事で“事を成す”と言うことはどういう事なのかを我々に示しているのかもしれませんね。芸術の役割は様々ですから、美とは何かを教える役目もあれば、クリストのように作品を作るプロセスを我々に見せて、事を成すとは何かを考えさせる、なんて言う芸術の役割があっても良いと思うのです。彼自身は作品に具体的なメッセージは持たせない、と言い、見る側の感じるままを尊重したい、と言うのですが、我々観る側としては、彼の作品自体も、彼の仕事ぶりも、両方、立派な彼の芸術作品として楽しませて頂いておりますけどね。
このクリストは、嘗て日本でもインスタレーションを行っております。アンブレラ・プロジェクトと言って、カリフォルニアの砂漠地帯と茨城の田園地帯の二か所で同時に巨大な傘をそれぞれ千本以上配置すると言う巨大プロジェクトを実施しています。乾燥したカリフォルニアの方には黄色い傘を、湿気の多い日本側には青い傘を使って自然の中にカラフルな傘の花を咲かせました。一本の傘の大きさは高さ6メートル、直径約8.7メートルというかなり巨大な傘だったようで、その大きくてカラフルな傘が平凡な日常の風景の中に非日常の空間を作り出していたようです。1ヶ月弱の会期中に日本では50万人、アメリカでも200万人を動員したそうです。先日、水戸の芸術館に行く用事があり、その際立ち寄った売店でクリストのアンブレラプロジャクトのポストカードを購入しました。正直、とってもカッコウが良いです。部屋に飾っております。とても気に入っております。
私は個人的に、安藤忠雄さんの幾つかの建築作品もそうなのですが、自然の中に直線的で単純なフォルムを持つ人工的な構造物が忽然と出現して、自然とのコントラストを作り出す光景にとてもシビレてしまうタイプの人間でして、ですから、例えば、広い芝生の公園の中にあるステンレスの手すりの付いたコンクリートの階段を見ただけでも嬉しくなってしまうようなタイプの人間なのです。そんな私のようなタイプの人間にとって、このクリストの作り出す自然空間の中に対比となる単純で直線的なフォルムを持つ人工的構造物を当てがって作り出す非日常的なその空間は、私にとって、いわばドストライクの芸術作品と言えるのです。本音を言えば、短期間で消えてしまう作品だけでなく、出来れば永く恒久的に残るような作品も残して欲しい所なのですが、でもまぁあの時間限定の刹那が、この世の諸行無常を表し、何か哲学的な意味を作品に持たせているのかもしれません。(考え過ぎか・・・) でも一説によれば、次にアラブ首長国連邦のアブダビに建設予定のマスタバは恒久的な建造物となるらしく、大きさもロンドンのマスタバの10倍に成るそうで、本当に楽しみです。実現すれば世界最大の彫刻となる見込みで、完成した暁には、必ず一度は訪問して、直接この目で見てみたいと思っています。

しかし、クリストの描くドローイングは最高に格好がイイですね。このロンドンのマスタバのドローイングも超絶カッコイイです。ポストカードでもいいので手に入れて是非部屋に飾りたい所です。
そして、何より、ウチの近所の湖にもマスタバが欲しいですね。自宅の家の窓からマスタバを毎朝見れたならもう最高なんですけどね。何とか実現しないかな・・・。

湖畔人

第137話. 気になる形(2) カラフルな安全靴

2018-07-15 17:51:00 | 気になった物・形・色・店舗
湖畔人です。

さて、早速気になるグッズ二回目です。
今回は、最近、作業服を着たお父さんたちが履いているカラフルな安全靴についてです。最近電車に乗ってくる作業服を着た方々の足元が、カラフルでデザイン性も良く、とても格好が良くて見入ってしまう事が多いのです。提供元は、安全靴メーカー他、スポーツメーカーとして有名なアシックスやミズノ等も提供しているようです。安全靴ですので、つま先が頑丈な作りになっていて、また作業性を重視しているのか、先端の形状がかなり丸いのですが、でもその丸さがかえっていい味を出していて良いのです。でもやはり特徴なのは、その色彩でして、黄色や赤やオレンジ、黄緑等、かなりカラフルでド派手なのが特徴的なのです。この派手さが、カーキやベージュやグレー等淡くて地味な色合いになりがちな作業服の足元の印象を大きく変えているのです。ハイカットバージョンもあり、それも格好が良いです。嘗てアメリカの炭鉱業者が作業服として着ていたジーンズがいつの間にか我々の定番ファッションアイテムになって行ったように、将来、このカラフルな作業靴も世界中に広まって行って、オシャレアイテムとして世界で定番化する、なんてこともあり得りえたりして、と勝手に妄想を膨らませています。
と言う事で、作業服を着た人を見ると、足元が気になって仕方が無い、今日この頃なのです。皆様も是非気にして見てみてください。カラフルでオシャレになったオジサン達の変化に驚くはずです。皆、日々進化しているのです。

湖畔人

第136話. 気になる形(1) 電動アシスト自転車

2018-07-15 16:56:24 | 気になった物・形・色・店舗
湖畔人です。

余りしょぼくれてもいられないので、この辺りで以前からやってみたかった気になる物の形、気になるグッズに関するお話をしてみたいと思います。今日はその一回目です。今回は、電動アシスト自転車のお話です。
最近重心が低く、車輪の直径が小さ目で、フレームがしっかりしていて、前後にはカゴの付いた格好が良い電動アシスト自転車に乗った若いお母様方を最近よく見かけるのですが、その自転車の事をネットで調べてみますと、どうも彼女たちが乗っている格好が良い電動アシスト自転車は、パナソニック社のギュット・アニーズと言うシリーズ物のようです。没個性的な所謂オバチャリと呼ばれる物とは違って、シック且つロバストな感じのデザインは、とても魅力的だな、と思いました。安定感もありそうですし、乗り心地も良さそうです。ただ、一点指摘すべき点があるとすれば、価格が高すぎる気がします。ちょっと引きました。
でも、やはり、物の形には“詩”が必要だと思うのです。置いてあるだけで絵になる、少し朽ちても味わい深さや愛着が湧いてくる、そんな味わい深さのある物の形の事を、形に“詩”があると呼びたいと思います。京都の街並みにはその意味で“詩”があると思います。そんな味わいのある物が溢れる世の中に段々となって頂きたいものです。消えてはなくなる消費物ばかりではなく、味わい深く長く愛される物達です。大分良く成って来てはいますが、まだまだ、伸びシロは大きいと思います。

湖畔人