第93話. 半島の現状とトランプ政権(2) Darkest Hour

2018-04-30 16:40:21 | ★政治 外交 歴史
湖畔人です。

半島の未来と日本の未来ですが、米朝会談が3、4週間後に実施との事で、それまではゴチャゴチャ心配しても始まらないですが、残りの期間、日本政府には米政府への釘差しを頑張ってもらうしかありません。

ただ、やはり懸念が多いですね。
半島からの米軍撤退も議論のテーブルに載せる用意があるとマティスさんが発言していますが、甘いと思います。もし金一族が今後も継続して国を率いる場合は、北がおとなしいのはトランプ政権の間だけで、米軍が半島から撤退しトランプ政権が一期で終われば手のひら返しが必ず起き、北は南に侵攻し、北主導の統一朝鮮が現れるはずです。まだ日本に米軍がいれば、まだ良いにしろ、それでも再度半島をめぐる大規模な朝鮮戦争が起きる可能性が高いのです。それは米中の代理戦争となり、今北を攻撃するよりずっと戦闘が大規模で状況が難しくなっている事でしょう。これにロシアが参戦すれば、米国は手出しが出来ず、日本からも撤退するかもしれません。そうなると、日本はお仕舞です。残念な事に日本の周辺は中朝韓と言う反日国家だらけだからです。
ダーケストアワー(邦題:ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男)で描かれた四面楚歌のUKと似た状況が現れるはずです。私がよく参照する保守系のオンラインオピニオンサイトも現在の世界の状況と当時のUKの類似性を指摘しています。
ヒトラーが1933年に首相に就任した頃、UKでは、軍事力縮小で平和を実現しようを言う機運が高まっていたようです。後の英外相は、“当時の英国民は自分たちが『戦争は悪』と言っているのだから他の国の皆も同じ考えを持っているに違いない、と、そう信じて疑わなかった"、と言う趣旨の事を述べており、1933年当時のボールドウィン首相も、当時を振り返り、「(再軍備を訴えたところで)当時この平和主義を唱えている民主国が、その叫びに呼応したと誰が思うか?」「これ以上に選挙の敗北を招くものが、他にあろうとは思えない」と述べていたようです。国の安全保障より、党の国民からの支持率を優先した結果招いた国の窮地だったのです。まるで、国民の支持率を気にして9条放棄すら言えない今の日本政府と酷似しています。時代的雰囲気も、政治家が人気を気にして本質に踏み込めない点も、今の日本にそっくりです。
その後、ヒトラーは十分に準備をし、戦力を整え行動を開始します。
3年後の1936年には、第一次大戦後に軍を置かないと約束をしていたラインラント非武装地帯に軍を進め進駐させます。ヒトラーは進駐後、「ヨーロッパに領土的野心はない」と表明し、25年の不可侵条約まで提案したため、英仏は安堵し、大して声も上げずそのままヒトラーを増長させます。ここで、英仏が厳しい対応をし、釘を刺せていれば、その後の第二次世界大戦まで事が大きくならなかったかもしれない、と言われているようですが、ヒトラーの野心を見抜けなかったわけです。その参照元のオピニオン誌の記事の筆者も、“まずは軍事力をちらつかせて緊張感を走らせ、その直後に、和平提案をして、安心感とともに受け入れさせる。これが、ヒトラーの手法だ。”と分析しています。まるで北のリーダーのようです。この点も類似点ですね。
この年ドイツはベルリンオリンピックを開催しています。そう言えば先日冬の五輪も半島で開催され北の参加も話題になりましたね。こうした比較的平和を連想させるスポーツイベントも事の本質を見えなくさせる方向に悪く作用する事もあるように見えますね。この点も類似点です。
しかし、一旦大人しくなったフリをしたヒトラーですが、その後、更に事を悪化させます。1938年、チェコの一地域に進攻し、武力による威嚇でオーストリアの併合にも成功します。欧州列強が集まったミュンヘン会談が行われるも、英仏は戦う事を選ばず、宥和政策を取り、当時の英国の首相チェンバレンは「ヒトラー氏が英国との友好維持に非常に配慮していると自分は信ずる」と語り、その宥和的対応は、当時の英国王他英国民から大変支持されていたようです。しかし、翌年、ヒトラーは、スロバキアの独立運動を契機にチェコを併合し、リトアニアの一部も併合し、英仏の黙認を宥和と捉え、更にポーランドへも侵攻し、それから第二次世界大戦へと繋がります。その後、デンマーク、ノルウェー、ベネルクス、フランス、と占領し、とうとう、1940年にはロンドンが空爆されます。いかに当時の多くの人々の見方が間違っていたか、民主主義の負の側面、間違った認識持つ多数の国民が国を窮地に陥れると言う典型的な例を見せています。民主党を政権に付けた日本の愚かな選択と一緒です。
ミュンヘン会談の宥和政策が間違いであり、ヒトラーの危険性を見抜いていたのは少数で、チャーチルもその一人です。その様子を見たチャーチルは演説で、「これが事の終わりと考えてはならない。これは清算の始まりにしかすぎない」と言い放ち、宥和賛成派からは、批判が殺到し、ヒトラーにも「戦争挑発者」と呼ばれていたようです。
結局、チャーチルが首相に就任した時には、ドイツ軍は欧州ほぼ全域を手中に収めており、巨大化し化け物と化したナチス軍との泥沼の戦争に突入しなければいけない状況でした。結果、イギリスの多くの都市が爆撃され、多くの若者が命を落としたのです。
チャーチルは、この戦いを振り返り、“この戦い程未然に防ぐ事が容易だった戦争はない“、または、”平和を求めたはずの穏便で事なかれ主義的な妥協的対応が如何に国と国民を滅亡の淵に導く事もありえるのか示す一例“と言う趣旨の発言を残しているようです。悪意を持つ敵国のリーダーへの毅然とした対応の必要性を我々に教えてくれているのです。
北と中共は危険です。その野心を隠すために微笑みを絶やさず様々な演出を仕掛けてはきますが、騙されてはなりません。南の文氏も同じく危険です。惑わされてはならないのです。後で私が“私の考え過ぎでした、私か間違っていました、彼らは良い人達でした”、と言える訂正文が書ければ良いのですが、まあ、無いと思います。

ノーベル賞が貰えると喜ぶトランプ氏も、半島からの軍の撤退を示唆するマティスさんも、楽観する訪朝した元CIA長官のポンペオ氏も、ちょっとその甘さが気になるのです。当てになるのはボルトンさんだけのように見えます。残り後3~4週間です。日本政府にもトランプ政権にプレッシャーを与え続けて頂くしかありません。頑張ってもらいましょう。
暫くは様子見ですね。

湖畔人

第92話. 半島の現状とトランプ政権

2018-04-29 00:19:53 | ★政治 外交 歴史
湖畔人です。

日本にいて、且つ時間が取れる限り、土曜の夜はTBSの情報番組を見るのがルーチン化しているのですが、今日も見ていると、盛り上がっている南北首脳会談に対し18年前と酷似しており注意が要る、18年前も一旦雪解けをして盛り上がりはしたが、その後北の核開発の継続が判明し裏切られてきた、時間を与えた事で北の兵器の完成度は更に高まり結局北に騙され力を付けさせて来ただけだった、要注意だ、という見方を披露していました。歴史的快挙と肯定的に捉える見方が主流となるとマズイな、と思っていた矢先だったので、日本のメディアでも冷静な見方が出来る方々がいるのだなと、少し安心をした次第です。彼らの見立ては多分正しく、核の放棄について具体的な対応を明示していない現状では、信用しては成らないし、時間的にも空間的にも無制限に北の核関連施設への査察が可能な状況が現れ、且つ、あらゆる核関連設備や兵器の破棄の明確なプランと履行が確認できない限り、本来北の現体制存続を許してはならないのですが、本来その判断を下し、北の命運を握る筈のトランプ政権が、どうも今の韓半島の現状を相当楽観視しているコメントが様々聞こえて来ており、そのお気楽さに一抹の不安を覚えている今日この頃なのです。
本音を言えば、北の国民の不幸、自由の無さ、何も意見が言えない不幸、粛清、食糧難、貧困、彼らのあらゆる不幸が、金一族の体制維持、保身を優先するが故に起きているのであって、彼らが去り、民主的な国家運営がされなければ、同じ事が繰り返されるだけなので、本来、南が主導してアメリカと圧力を最大化し、北の民主化を主導すべき所を、南の文氏は親北で左寄りですので、中々難しい状況です。下手をすると北主導の統一ですら許容しそうな勢いです。核保有の北主導の統一朝鮮など日本にとっては悪夢以外の何物でもありません。非核化が出来ない限り北の現体制の存続は終わりにすべきです。

今、我々に出来る事は、日本政府に対し、“トランプ政権に対し最大限釘を刺しなさい、無制限の査察と完全な核の放棄が確認できない限り、軍事行動を含む厳しい対応を取ってください、決して楽観したり、妥協したり、騙されてはならない、と言い続けるべきです。”と言い続け、トランプ政権の尻を叩いて頂くしかありません。兎にも角にも、トランプ頼りしか手が無い今、それしかやれることはありません。

第20話でも申しましたが、このまま北を放置すると北の核兵器の完成度が高まり、アメリカの東アジアでの抑止効果が無力化し、東アジアが中朝の支配下に置かれ、日本は滅亡の道をたどり、それだけでなく、世界の危険な国々に北製の核兵器が拡散し、現在世界を主導する自由、人権、民主主義、信仰を守って来た西側の国々が弱体化し、代わりに中朝を中心にした力と恐怖と無神論、共産主義が世界を覆い支配する地上の地獄が待っている、と言う話をしましたが、今がその暗黒の未来を決める分岐点であり、その未来を決める最大のポイントがこの核を保有した北の存続が継続するかどうか、と言う点なのです。従って、茶番に惑わされている場合ではありません。トランプ氏の尻を叩き、現在の北の体制を終わりにしなければなりません。本当に今が正念場です。気を引き締めて参りましょう。

湖畔人

第91話. 気になった音楽⑦ U2『Pride (In the Name of Love)』

2018-04-08 13:56:04 | 気になった音楽
湖畔人です。

先日の4月4日はアメリカの人種差別撤廃運動(公民権運動)を導いた英雄、マーティン・ルーサー・キングJr.が凶弾に倒れた日であり、彼が亡くなってからちょうど50年目に当たる日でした。マイケルジャクソンの音楽に酔いしれ、ウィルスミスの映画を楽しみ、タイガーウッズのプレイに興奮するアメリカを見て来た者としては、つい数十年前までそうした深刻な人種差別があったとは信じられませんが、マーティンルーサー以前には黒人が入っても食事を提供しないレストランが存在したり、黒人専用のバス席まで存在したと言うのですから驚きです。そうした状況を一変させたのがマーティン・ルーサー・キングJr.を中心にしたアフリカ系アメリカ人の公民権運動であり、特に、彼が「I Have a Dream」と演説したワシントン大行進はとても有名ですね。その人種差別の為に身を捧げた闘志、マーティン・ルーサー・キングJr.を讃えた曲は幾つもありますが、私が個人的に好きな曲は、U2のPride (In the Name of Love)と言う曲です。U2の事は、実を言いますとあまり好きでなくて、そのもっともらしい感じがあまり好きになれないのですが、唯一好きな曲がこのPRIDEと言う曲です。正義の実現の為に、他人への愛が故に、黙ってはいられない、行動を起こさずにはいられないのだ、と歌う正義の歌、静かに秘めた闘志を歌った曲です。私の好きな保守政党の過去のキャッチフレーズのようです。
U2の天才ギタリスト、エッジのギターの音色は、ケルティックの行進曲のようでもあり、その時期のUKのギターサウンドに共通して見られるような、瑞々しくて、若干湿り気を帯びた、繊細で幻想的でありながら、雄大でもあり、北海の寒空の高い所まで運んで行ってくれるような、そうしたスケール感を持ち、ボノの情熱的な歌声をより崇高で宗教的なものへと高めてくれています。私にとってエッジのギターの音色は、The smiths のジョニーマーのギターと並んで最も好きなギターサウンドでもあります。名曲です。お勧めします。

湖畔人

第90話. 何時かは誰かがやらねばならぬ事=中国と北の暴走を止める事

2018-04-08 03:08:27 | ★政治 外交 歴史
湖畔人です。

今トランプさんは対北、対中国で大きく動き始めましたね。
北に対しては、この後、首脳会談が待っていますが、国務長官にポンペオ氏、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にボルトン氏を起用するなど、その布陣を見る限り、北の出方次第では、軍事行動をも辞さない、と覚悟を決めているようにも見えます。多分、結論を先延ばしにせず、北の非核化への方針次第では、北の現体制を転覆させるか継続させるか近々に結論を出そうとしているのかもしれません。

もし仮に今、それを誰かがやらず、今後も仮に6か国協議だ、何だかんだと北に時間を与えた場合には、北は核戦力の完成度を高め、弾道ミサイルの性能向上をし、核を弾道ミサイルに搭載可能にする核の小型化を目指し、潜水艦への搭載を可能にし、米国の本土攻撃も出来るようになる事でしょう。もしそうなるとすると、米国は北と一戦交える事を避けるようになるでしょうから、米国の東アジアからの撤退もありえるシナリオになってきます。米国が、世界の警察としてアジア他を守って来た役割を諦め、その役割を放棄する事になる、と言う事です。もし、そうなるとすると、中国と北は、米軍が去り次第大胆に動き始めるはずで、北はまず核で南を恫喝し、南を併合するはずです。次に中国は、香港、台湾、沖縄を併合し、日本を実質的な支配下に置くようにするはずです。中国が直接支配するか北に管理をさせるかは判りませんが、皇室は滅ぼされ、日本人は劣等民族として漢民族への同化政策下に置かれ消滅する事になるでしょう。

それだけではなく、北は完成した核兵器を売り物として世界中に拡散させ始める事でしょう。シリアやイラン、イスラム原理主義的テロリスト集団や、中国に隷属的でアンチ欧米のアフリカ諸国、中南米で麻薬を売って生業をたてるような危険な国々の手に核が渡り始め、民主主義、法治主義、人権重視、信仰重視の西側的価値観を持つ国々が、中朝とその従属国家群からの挑戦を受け始め、危険に晒され、対立が起き、そこでもしロシアが中朝側に付くような事になれば、西側が最悪滅ぶ可能性すら出てきます。北の核が起点に成って、世界の勢力図が全く変わり始め、より危険な国家が力を持ち始め、世界が大混乱に陥り、最悪、世界大戦にまで発展する可能性すら出て来るのです。もしそうなれば、それは、世界の地獄化を意味します。絶対に避けねばならないシナリオなのです。ですから、北の核戦力は認めてはならないのです。今が最後のチャンスです。今が勝負の時なのです。誰かが止めねばなりません。それが出来るのはトランプ政権だけです。我々にはただ彼らを応援する事位しか出来ませんが、兎に角、何とか彼らに区切りを付けて貰うしかありません。

中国も、共産党による大帝国の出現を夢見ており、その楯として北を使っています。中国の問題は、そもそも無神論、人権軽視、情報統制の共産主義自体がそもそもの問題ではありますが、経済面に限って言えば、為替操作により為替の価値が経済力相応でない事(最近は改善があるようですが)、知的所有権軽視、ダンピング等、諸々問題があります。知的所有権軽視問題は、そもそも嘘や盗みをしてはいけないと言う宗教をベースにした道徳観の欠如が問題であり、その上、国自体が簡単に競争力を得られる有効な手立てとしてパクリを奨励している事が問題なのです。中国は、その大きな国土と13億人という巨大な人口、巨大な市場、購買力をエサとして、中国に参入せんとする各国企業に対し、市場参入を認める代わりにノウハウや知的財産をただで渡せと恐喝をしています。金の為に悪魔に魂を売れとでも言われているようなものです。特許も商標も対価を払うべき価値なのですが、中国はそんな事はお構いなしのようです。商習慣のベースがその他の世界と揃っていないのです。そこを揃えないとフェアな競争にはなりません。倫理観、プライド、宗教観の欠如が問題の根幹です。やはり共産主義が諸悪の元凶と言えます。トランプ氏が今中国の知的所有権軽視の姿勢を問題にし始めましたが、大変素晴らしい事だと思います。ただ、少し遅きに失した印象が拭えません。歴代米政権も欧州各国諸国も目先の利益を重視して、問題に目をつむって来たツケが今顕在化しているのでしょう。もっと早くに手を打つべきだったと思います。

ダンピング問題も、通常の企業であれば、安売りをし過ぎ、それを継続すれば利益が減り続け、給料が払えなくなって、存続が難しくなるはずなのです。ただ中国の企業の場合は、社会主義国家であって、企業も国営企業ですので、最悪利益は無くても平気ですし、資金も無尽蔵に補完されますし、他国の一般企業がまともに戦って勝てる相手ではないのです。そんなアンフェアな国営企業が利益度外視で安く物をどんどん輸入してくるのですから米国の国内企業も滅ぶしかありません。しかも鉄鋼などの場合、軍事や安全保障に直結するアイテムなので、それらが全部中国製となると、軍事製品であれば取引の際に情報交換等で軍事機密が漏れる可能性すら出てきますし、中国からの物の供給を止められると兵器の製造が止まってしまうリスクにも晒されますし、本当にリスクだらけなのです。リスクもあり、アンフェアな戦いで中国企業に負けて国内企業が潰れ、結果雇用も失い、悪い事しかない、そんな状況を見ているにも拘らずその状況を放置し、傍観しているだけの政治家がいるとしたならば、その政治家は愚かで無能で政治家失格だと言えます。その状況を変えようとしているトランプ氏はまともであって、当たり前の事をしているだけです。単なる保護貿易と呼ばれるような単純なものではありません。経済は競争ですので、競争の為のルール、その前提が違う企業の参入は本来許してはならないのです。国がバックで、利益度外視で、資金が無尽蔵の中国国営企業との競争はアンフェアです。アメリカは市場への参入企業の前提を揃えるか関税などで競争力を調整する必要があります。競争の土俵に乗るための条件が揃わず、アンフェアなゲームと判断されるならば、そんなゲームは一旦止めて、ルールを改訂してからゲームを再開すべきなのです。それは当然の処置でありトランプ氏がしようとしている事です。

しかも、その中国はそのアンフェアな競争で得た経済力で軍事力を増強し孫子の教えに従い圧倒的な戦力でもって戦わずにして勝とうと目論んでいます。圧倒的戦力で戦わずにアジアだけでなく世界の半分を屈服させ、隷属させ、支配下に置こうとしているのです。そんな悪しき野望と横暴を放置しては世界の不幸を招くだけです。この状況に対する無策、放置は『悪』なのです。未来の中国の為にも欧米諸国と同じ競争前提に立ってもらうように仕向けていくべきなのです。その為には、比較的まともな国が力を保ち、中国を牽制し、指導すべきなのです。よってアメリカには中国を正し、中国の力を削ぎ、アメリカにはまた力を付けて貰って、そして、民主主義、法治主義、人権重視、信仰重視等、西側の価値観の守護者として、それらの価値観を広め守って頂きたいのです。

それが出来るのはトランプ氏と彼の率いる政権チームだけです。世界はトランプ氏の表面的な過激さばかりに目を奪われ、彼の本当の偉大さを理解出来ていないようです。将来必ず、彼に感謝しても感謝しきれないような状況が現れて来るはずです。私は、トランプ氏は世界の混乱を治める為に天が我々に遣わしてくれた天からのGIFTなんだと思って見ています。彼の任期中に多くの方がその事実に何となく気付く事を切に願うばかりです。
しばらくは彼らの動きから目が外せませんね。まずは北の対応ですね。

湖畔人

第89話. 騙されるべからず 亡国の危機

2018-04-01 23:30:27 | ★政治 外交 歴史
湖畔人です。

北のトップが電撃訪中し習氏の後ろ盾を得ましたね。中国に対し六か国協議への復帰と、それを通した半島の非核化へ段階的実現への意思表示をしました。但し条件付きです。また、北はIOCのバッハ会長にも次の東京五輪への参加表明をし、韓国からは友好を示す芸術団が訪朝してみたりと、米国の強硬的布陣に対し、もし米国が北に対し強硬的軍事対応でもするような事があれば、その場合、米国は国際社会から非人道的国家のレッテルを貼られる事になるが、米国にはその覚悟があるのか?、と米国を牽制するような、そうした雰囲気の醸成に北が成功しつつあるように見えます。皆、北の本心を知ってか知らずか、要らん事ばかりしてくれます。IOCは中韓から、個人として、もしくは組織として何んらかの経済的サポートでも受けているのでしょうか?彼らには北の人権侵害も、北の核の危険性も関係ないのでしょう。政治とスポーツは切り離すのがオリンピックの精神なのかと思いきや、結果的に随分政治的な動きをして、隣国を危機に陥れる、そうした政治的なアクションをしてしまっている事をバッハ会長は自覚しているのでしょうか?多分、どなたかの意思を受け、その希望を実現すべく動いているのでしょう。本当に余計な事ばかりしてくれます。胡散臭い存在です。
さて、こうした動きに対し、これは危険なサイン、過去の失敗の繰り返しになる可能性が高い、騙されてはいけない、と、私が良く参照させていただいている保守系の情報誌のオンラインサイトが警告をしています。
彼らによれば、この状況は15年前と酷似しており、同じような結果が現れる可能性が高い、まるでデジャブのようだ、と指摘しています。 彼らによれば、2002年、アメリカの共和党政権は、北に軍事攻撃を含む強硬的対応をしようとしていた所、韓国が横槍を出し、北に救いの手を差し伸べ、もし北を攻撃したら韓米同盟は破棄だとゴネ始め、結果アメリカは動けなくなり、その内、アメリカはイラク戦争で身動きが取れなくなり、中国に助けを求めた所、六カ国協議の提案があり、その結果、2003年には、北が核の核放棄の共同声明の約束までする事とはなったが、ただしその共同声明には、条件があり、“『約束対約束、行動対行動』の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していく”という条件が付いており、所謂非核化の「段階的」な実施を意味していた。要は、敢えて時間が掛かるようにし、その間、開発を進める時間稼ぎをしたと言う事です。これは今の状況と全く一緒であり、タカ派の米大統領がいる(その時はブッシュさん今はトランプさん)、韓国左派政権の横槍がある、そして、中国を議長国とした「六カ国協議」を組み、そして「段階的」な非核化交渉(時間稼ぎ)とあまりに今の情勢に似通っている、と指摘します。そして、その2003年の共同声明後に起きた事は、北はまず核の放棄のポーズをとり続け、本気度の証明の為にわざわざ減速炉の冷却塔の爆破まで実施し(そこまでやったら誰でも信じます)、非核化の手順を段階的に踏んでいるポーズをとり続け、その度に、制裁解除を要求し開発の為の資金と物資を手に入れ、資源や食料の支援などを六か国協議から引き出し自国民に向けた最低限の食糧と燃料を確保し核開発を継続して行った。ただアメリカが、査察を実施しようとした所、北はそれを断固拒否し、以降、協議は平行線と辿る事となった。そして、そうこうしているうちに米政権はより妥協的な弱腰な民主党オバマ政権となり、そのとたん、北朝鮮は「六カ国協議」の合意を反故にし、強硬的に核とミサイル開発を再開させ、そして2009年4月にはテポドン発射へと続いていった経緯があった。結局、北は核放棄のポーズをとり、段階的核の放棄と言いつつ時間を稼ぎ、その裏では核の開発を続け、経済的支援をも引き出し、いざ査察をしようとするとゴネ、強硬的な共和党が去り、弱腰の民主党政権が出て来ると本性を剥き出しに約束を反故にして来た。北はそうした壮大な騙しをして時間稼ぎをして核戦力の完成度を高めて来ていたのだ。その結果、北は核兵器を手に入れ小型化と弾道ミサイルさえ完成すればアメリカですら手が出せなくなる、そうした状況の出現を許してしまった。北の核戦力の完成は後数ヶ月と聞く、今また六カ国協議等と言っていたら、もう取り返しがつかない状況下に置かれる、何度も同じ手で騙されてはならない、次の失敗は亡国を意味する、決して同じ過ちを繰り返してはならない、と、その保守メディアは言います。

ですから、今回も北と中共は、トランプ政権の任期が終わるまで、段階的非核化をしているポーズをとり、その間、北は核を完成させ、米国を核で攻撃できる所まで力を付ける、2020年の選挙でトランプ氏が敗れ、また民主党政権に成れば核で米国を脅し、半島から米軍を追い出す、米軍が半島を出たら、中共と北は半島と台湾と香港と日本をその勢力下に置き、中朝同盟による社会主義的専制により東アジア全域を支配する、と言う恐怖のシナリオが実行されると思われます。そのシナリオの実現は、日本国の終焉をも意味します。亡国の危機です。ですから、今彼らの手に簡単に乗ってはならないのです。決して惑わされてはなりません。決して、騙されたり、妥協してはならないのです。米国による北の全域への無制限の査察を北が受け入れ、完全なる核開発の放棄とならない限り、米国は軍事攻撃で北の体制を完全に崩壊させる、と言う選択しか持たせるべきではありません。日本の政権も日本のメディアもその点をよくよく理解し、『北の無制限の査察受け入れと、完全なる核の放棄とならない限り、米国による軍事攻撃もやむなし』と言う点を国民と米国と国際社会に対し継続的に訴えていく必要があります。今が最後の分岐点です。絶対手を抜いてはいけません。決して騙されてはならないのです。

湖畔人