湖畔人です。
最近、私の推す保守政党の海外通、金融通のキレ者の方が、ジャパンディスプレイ(JDI)が買収または倒産の危機にあるが、JDIを支援して来た経産省傘下の産業再生機構(INCJ)の在り方に大きな疑問が二つあるとお怒りのようです。
一つ目は、産業再生機構(INCJ)は、実質的には血税を4千億円を使ってJDIを支援をして来たが、それが倒産危機、または安価で売却される可能性が高く、国民の税金が無駄に使われた事に対し、国民への説明責任があるのではないか?勝手に国民に了承を得ず税金をジャブジャブ使っておいて大した経営指南もせずに企業経営を悪化させ、本当にすべき仕事をして来たのか?素人集団だったのではないのか?投資に失敗はあるにしても国民に説明責任があるのではないのか?それを経産省はどう思うのか?と疑問を投げ掛けています。
二つ目の疑問は、売り先が中国&台湾系の企業連合に売り渡されんとしている点について、そもそも血税を4千億円も注ぎ込んだ日の丸フラットパネル企業を800億と言う安価で売り渡さんとしている点がまず許し難いし、そもそも、今アメリカが中国に対し関税戦争を仕掛けている背景も、中国が中国に参入する外国企業に技術情報の開示を要求しており、それを許すと高い技術情報がただで中国にパクられ、中国にパクられた技術を使った中国製品が安価で販売&拡散されると自国の企業の競争力が失われるし、そこで儲けた金が軍事利用されるので、その技術開示の要求を止めなさいと中国に言った所、始めは了承したが、後から断られたので、今、トランプさんは怒って関税で中国を締め上げて、言う事を聞かせようとしている訳です。そうした環境下で易々と中国系企業に高い日本のディスプレイ技術をただ同然で渡してしまうのはアメリカと全く歩調が合っていないし、余りに危機意識が足らな過ぎるのではないか?と憤っているのです。
本当ですよね。そう簡単に技術の結晶を売り渡すな!と言う話です。
嘗ては、半導体も、液晶などフラットパネルも、PCも携帯も日本の独擅場でした。
半導体は、80年代は産業の米と言われ、NECがDRAMと言う揮発性メモリで世界一でしたが、アメリカのプレッシャーで段々落ち目となり、気付けば韓国勢、サムソン、ハイニックスなどにシェアを持って行かれ今は日本勢は絶滅しました。NECの遺伝子を引くエルピーダメモリが暫く高品質製品で奮闘していましたが、当時の日銀の無策による円高の圧力で経営の継続が難しくなり、とうとうアメリカのマイクロンに吸収されてしまいました。ここでも経産省は関わりましたがエルピーダは救えませんでしたね。
その後メモリの主流は東芝の技術者(舛岡富士雄 東北大学名誉教授)が開発した不揮発性メモリのフラッシュメモリが主流となり、将来のストレージは全部これに変わるのではないかと思われていますが、これもサムソンに価格競争で苦戦中ですが、東芝は本体が原子力事業の買収が重荷となり、赤字が止まらず、まずまずだったはずのメモリ部門を切り離さざるを得ず、今その子会社である東芝メモリに間接的に産業再生機構(INCJ)が関わっているのです。ちょっと心配ですね。また中国に売られてしまいそうです。
車も今は自動運転やナビなど半導体が欠かせませんが、車載用の半導体は旧日立がメインのルネサスが高シェアで、東日本の時、暫くアメリカの車の出荷が止まったなんて話があった位でしたが、暫く好調でしたが、ここに来てちょっと苦戦しており、ここも産業再生機構(INCJ)のお世話になっていますね。何か危険な匂いがしますね。
液晶も、携帯もPCも皆、嘗ては日本が独擅場でしたが、液晶は韓国勢に負け、携帯はスマホに敗れ、スマホはアップルやサムソンなど韓国勢、PCは台湾勢やデル等アメリカ勢等に段々とやられて消えて行きましたね。ほぼ同じ製造装置を使えば人件費が安い方が勝つし、シェアを取り開発費を稼げた方は技術力でも段々優位に立つので、日本勢の負けが段々と確定して行くと言ったパターンの繰り返しでしたね。愚かです。本当に残念ですね。液晶を初めて商品化したシャープは今は鴻海の子会社となり、その鴻海は親中の社長の郭台銘さんの会社で、郭さんは次の台湾の大統領候補でもあります。ノートPCの代名詞だった東芝のダイナブックはシャープが今は扱っており、結果的に鴻海の物となりましたね。残念です。
聞けば、JDIは、日本の液晶メーカーが韓国勢のサムソンやLGにシェアを取られて苦戦した末、産業再生機構(INCJ)が旗を振って、東芝、ソニー、日立等の液晶部門に生き残りを掛けて合弁を薦め、そうして出来た経産省主導の日の丸液晶会社だったのだが、当初からアップル依存が酷く、アップルからは出資も受けて工場まで作るも、その返済の為替リスクを取っておらず、段々と円安ドル高になる中、為替差損で段々と赤字が大きくなり、営業は黒字なのに最終損益で大幅な赤字になるという財務的欠陥を上場前から抱えていたのにそれを表に出さずにずるずると手を打たずに来た事、即ちマトモなCFOが不在だった事、有機ELへの切り替えタイミングを読み違えた経営判断のミスがあった事、追加でまたアップルから融資を受けて工場を建てた事、頼みの綱のアップルの業績が悪化した事、等々、色々とマイナス要素が重なって、今、こうして倒産危機に直面しています。本当に残念ですよね。まともなCFOも居らず、為替リスクを見れていなかったなんて、かなり初歩的なミスですよね。アップル頼りと言うのもリスクヘッジが出来ていない証拠ですし、産業再生機構(INCJ)には経営のプロを入れる必要がありそうですよね。ここにもPPPが要るのではないでしょうか。
それにしても、財務省は増税しか言わんし(大丈夫?)、文科省も不祥事ばかり、統計 厚労省も統計不正問題、経産省は血税をジャブジャブ使っては企業を救えないし直ぐに外国に売りたがるし、ホント霞ヶ関は大丈夫なんでしょうかね?
産業再生機構(INCJ)は、半導体や通信など情報インフラに関わる産業を岩に嚙り付いてでも残すようにすべきです。韓国勢が突然コケて半導体需要が急に巡って来たり、中国市場で大混乱が起きて急にチャンスが巡って来る何て事も大いにありえるシナリオなので、品質の高い希少なニッチマーケットでまず生き残りを図り、お金さえ注ぎ込めは事業を幾らでも拡大してDRAMでもフラッシュメモリでも液晶や有機ELも幾らでも出来る状況を作っておくべきです。それと、産業再生機構(INCJ)も、PPPを入れて財務、経営のプロを外部から招くべきですよね。大きいお金を動かし、血税を使っているのですから、チャンとプロの経営をする人を呼んでくる必要があります。
それは、霞が関全般に言えています。霞ヶ関のどの省庁も、責任範囲と目標達成時期を明確にした上でPPPの外部の力、民間の力をもっと活用して欲しいですよね。それと単年度会計は見直すべきです。そこら辺は、私の推す保守政党も言っている持論ですので、是非柔軟にご検討を頂きたいですよね。
湖畔人