第310話.気になった音楽(81)&(82)&(83) 夏の終わりの曲② The Beach Boys 『All Summer Long』&『Surfer girl』,大瀧詠一『ペパーミント・ブルー』
湖畔人です。
今回も夏の終わりを感じさせる曲を三つ紹介させていただきます。
まずは、The Beach Boys 『All Summer Long』です。
この曲は、ジョージルーカスの初期の映画『アメリカングラフィティ』のエンディングでも流れる曲ですね。この曲も、楽しかった夏が終わってしまうのを惜しむ曲ですね。歌詞の中ではホンダの名前が出て来ますが、60年代のアメリカではホンダのカラフルなミニバイクが大流行して皆気軽に足代わりに使っていてビーチボーイズの面々も楽しかった夏休みの必須アイテムとしてホンダのバイクを歌詞に入れてくれていますね。ちょっと誇らしい気分です。
次もThe Beach Boysで 『Suffer girl』です。サーファーの女の子に恋して君は愛しのサーファーガ-ルとひたすら繰り返し歌う綺麗なコーラスのビーチボーイズらしい曲ですね。自分は今は湖畔に住んでいますが嘗てガキの頃は海岸沿いに住んでいて、近所はサーファーのお兄さんやお姉さん達が沢山いらしてビンテージのビートルやカルマンギアにサーフボードを載せて走る姿はエライ恰好が良かったものでしたが、お盆を過ぎると海水浴の客も大分減って来てビーチも段々と閑散として来るのですが、同時にそれはウェットスーツを着たサーファー達がビーチを占有することを意味していて、段々とサーファー達が集まり始めるようになるのです。8月末以降は完全にビーチはサーファーズパラダイスですね。当時、彼らが聴いていたのがビーチボーイズ等アメリカンオールディーズや山下達郎さんや大瀧詠一さんの曲を多く聴いていた気がしますね。後はAORですか・・・。彼らが纏っていたコパトーンの香りも何か懐かしく思い出されますね。
さて、夏の終わりを感じさせる曲の最後の曲もそのサーファーの皆さんが聴いていたアーティストの一人、大瀧詠一さんの曲で『ペパーミント・ブルー』です。歌詞は松本隆さんでして、これはもう嘗て二人が在籍したバンド”はっぴいえんど”の同窓会のようなもんですね。この曲の松本さんの歌詞と言えば"眠るような陽を浴びて 君はブロンズ色 南向きのベランダで海を眺めている・・・"とか、"波は時を砂に変え 寄せる・・・やさしく・・・そんな風にぼくたちも愛せたらいいのに 水のように透明な心ならいいのに・・・"とか、もう完全に松本隆の詩の世界観、松本ワールドが炸裂しておりスゴイです。作詞の松本さん、作曲の大瀧さんと言うそれぞれの分野における二人の天才の相乗効果が起きていて、彼らの才能の煌めきが眩いばかりに詰まった一曲に仕上がっておりスゴイです。ホント名曲だと思います。
一時期の松田聖子の曲も担当していたこの御二人のソングライティングチームですが、その後も共作を重ね名作を多数世に送り出して行きましたね。後日、プロジェクトとしての松田聖子論とか日本のポップス界の源流の一つとしての"はっぴいえんど論"とかも、いつかやってみたいな、なんて思っております。
それでは。
湖畔人