華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

学びのはなし

2020年04月17日 19時12分50秒 | Weblog
教育係代理最終日。
今日も気持ち早めに出勤。その分早く帰れるので問題なし。

4日目の学生さんたち。今日が最終日。なんでこんなに短い実習だったのかは知らない。コロナの影響かな? 今日も正看とペアを組んで作業をしていたので、時折手助けに入る形で見守っていた。
私も学生だった頃に思ったけど、ペアを組む看護師次第で実習はずいぶんと変わったものになる。同じ看護師が続くときもあれば毎日変わるときもある。ふたりいる学生さんで、ひとりは4日間同じ看護師と一緒だった。だいぶいろんなことを学べたみたい。一方もう一人の方は毎日違う看護師とペア。申し訳ないけど面倒見がいいとは言えない人もいた。短期間で学生さんたちがどこまでペアの正看の働きぶりを見極められるかわからないけど、後者の学生さんはちょっとかわいそうだったなと思うのが正直なところ。

私も看護学生時代、最後の実習で嫌な思いをした。この時に付いた指導員が実習生を不合格にするので有名な人。特に留学生には厳しいと評判だった。そしてその人は毎回同じ病院で指導しているため、ほとんどの看護師にもその評判を知られていた。
最後の実習先は消化器外科。ある正看はとにかく粗探しが好きで、いちいち私やもうひとりの一緒に実習していたインド人の学生ができてないこと、理解していないことを逐一指導員に報告する人だった。私より少し前にこの病棟で実習をした友人に「あの人には気を付けよ」と忠告をされていたぐらいに学生いびりが好き。この人とペアを組むってわかった日はもう憂うつ以外の何物でもなかった。私とインド人の子は同じことを思っていて、ふたりで慰め、励まし合いながら必死で頑張った。
幸いなことに、私はこの実習の最後の2日間をとても気さくな看護師さんと組むことができた。指導員が私には聞こえてない(と思っている)ところで「Yoshimiはどう?」と聞いた際に、その人が「あの子は大丈夫よ」と言ってくれた。そのおかげで私はこの最後の実習を合格することができたと言っていい。
残念なことに、インド人の子は先の粗探好きとペアになってしまい、できないことばかり報告され、結果不合格になってしまった。泣きながら先に帰っていく姿がとても悲しかった。ちなみにどの科目でも不合格になるとやり直しになるんだけど、この実習は2科目分だったため、彼女はおそらく当時で5000ドル強(40万円ぐらい)ほどの授業料を払うことになったはず(当時でいち科目$2600ぐらい)。
一歩違っていればそれは不合格になっていたのは私だった。そうなっていた場合の失望や焦り、ストレス、プレッシャーを想像するだけで恐ろしい。
こういう経験があるから、私は学生さんにはできないことが当たり前であることを伝え(できると思われていても困るし)、実習中に何かを学んでもらえるように考えながら接している。

彼女たちの指導員も来ていたので、本当に今日は学生さんのために出る幕はなし。彼女たちは帰っていくときに「いろいろありがとう」と言ってくれた。この4日間で何かを吸収して、それが次の実習につながるといいな。

さて。
病棟の教育係としても今日はひとつエキサイティングなことがあった。
中核障害がある患者さん。脳出血で病院に運ばれた際、自力では食事ができない状態になったため、胃ろうをを入れられていた(胃ろうとはお腹を切って、外から胃の中へ通す管のこと。この管を使って食事を流し込む)。これがうっとうしくて仕方ないらしく、看護師への八つ当たりが続いていた。本来ならあと一週間はキープしておきたいところだったけど、状況を考えてドクターも引き抜くことに同意。そしてそれを教育係である私がすることになった。ちなみに先輩看護師は今日はお休み。
もちろんやったことがないし、病棟にいる一番のベテラン看護師もやり方を知らないという。胃ろう除去の工程を記したポリシーを探したけれど、なぜか見つからない。なので隣町の大型病院の医用画像科(レントゲンやCTなどを撮るところ)に電話をして指示を仰いだ。
意外と簡単だったので、さっそく教えてもらった通りに作業。患者さんやほかのスタッフの前では冷静を装ったけど、内心はドキドキ。だってやったことないし、胃ろうの内側がどんなものかも想像できないし(あらかじめネットで画像チェックはしたけども)。
あらゆる結果を想像していろんなものを準備して病室に入ったけど、結局最低限必要なもの以外何も使わず、拍子抜けするぐらいあっさりと終わった。緊張はしていたのでドッと疲れたけど。でもやり遂げた感、半端なかったなぁ。きちんと調べて、わからないことは質問して、自分でしっかり納得してから作業、そして成功。これがひとつの“学びのプロセス”よね。達成感。

残りの時間は“何かしている感”を漂わせながら病棟をウロウロ。
そういえばインフルエンザの予防接種にも行った。病院勤務者は一応義務づけられている。私は注射が嫌いなので毎年避けてきたけど、今年はコロナがあり、コロナとインフルエンザ両方に一度にかかるとさすがに命に関わるので受けることにした。本当にお腹が痛くなるぐらい注射は嫌い。緊張感が顔に出ていたみたいで、そのとき一緒にいた周りの人たちが私の順が来たときに歌をうたってくれた。子供扱い。でもありがたい話で。

無事に2週間の教育係代理の日々を終えて帰宅。もっと続けたっていいぐらいだけど、終わったら終わったでホッとするもの。
犬たちを公園に連れて行った。そのときにチャーリーが何か顔をこするような仕草を見せていた。
散歩から戻って、シェフDが作ってくれた、久しぶりのステーキを頂こうという段階になって、チャーリーの目に異変を発見。どうも目が開けられないらしくショボショボしている。うっすら開けても焦点が合ってない。大急ぎで針なしの注射器を使って目を洗浄。それでも状況は変わらず、せっかくの食事も心ここにあらず状態で食べた。
歩けるし、食欲もなくはないし、認識障害を起こしているようでもないので食後もずっと様子を見ていた。ぐったりして寝ているけど、それは公園でたくさん走ったからだと思われる。ネットで調べた情報を総合したところ、目に何か入ってると推察する。
もう獣医さんは予約して、明日連れて行く。だけど先ほど少しパッチリ目を開けた。焦点も合っていた。目やにも出ていたのでもしかしたら異物が取れたのかも。そうだといいな。
明日起きて、容体がいいようなら獣医さんの予約はキャンセルする。もちろん悪かったら迷いなく連れて行く。

獣医さんで見てもらうにも一回で確実に諭吉様は私の財布を離れていく。犬にかかる必要経費を惜しむつもりはないけど、今はやっぱりお金が出ていく時期なのかね。
明日はお休み。しっかり休んで明後日からまた頑張ろう。
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