チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

一生もの

2010年01月15日 09時26分10秒 | 日記
最近巷に安いものが氾濫すると
昔の言葉
「安物買いの銭失い」
と言う言葉がよぎる

しかし
最近の安物は銭失いになりにくいものもある
品質が良くて安いと言うのもある

品質がいいというのは
今ではマーケテイングがなされていると言うこともあり
大量に雑に作るのではなく
頭を働かせていろんな場面でコストを抑えて安くしている

そういう品を見て
なるほど良く考えているな
と思うが手は出ない

ある時期から
一生ものというのを大事にしたいという考えで
物を選んでいる自分に気がつく

そうすると
手間隙かけて作り上げたものに気が行く
例えば桐ダンス
木を十分に乾かした家具
何十もの工程を経て作られた什器

輪島の市中さんの漆器は
どんなに熱いものを中に入れても
外側はひんやりしている

手間のかかったものの王者はきものかもしれない
「喪服」などまさしく一生もの

女子大の卒業式に
「黒地五つ紋付に袴かダークスーツ」
と言うのが卒業式の式服で
母など
「へー粋なことをするおめでたいときに喪服を作れるなんて」
多くの親がそう思ったのか
一人を除いて全員が黒の五つ紋付に袴姿で
皆きりっとしていた

そしてその紋付はいまだに着ている
まさに一生ものだ

こういう一生ものをつくる人、求める人が多くなると
地球は蘇生していい環境になるであろうに
使い捨てはボツボツおさらばにしないと
人まで使い捨ての世の中になってしまう

いやもうなってしまっている
コメント
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