チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

上から下まで塩漬け繭

2014年12月22日 14時42分54秒 | 日記
絶対的に美しい糸
其れは塩漬け繭から引いた糸
半衿から腰紐まで
すべてすべて贅沢に塩漬け繭の糸を使った着物、袴、帯

徐の着付けをさせていただいたのだが
手の気持ちよさ
心の豊かさ
昔の殿様はきっとこの心地よさに身をゆだねていたのだろうと思う

人が
着るものの心地よさを失ってどれくらいになるのであろう
縫い針も塩漬けの糸
そうすると糸にもつれはなく
するすると布を通していく

蚕が人間にくれた唯一の美しい糸
蚕が糸を吐いたままの状態で布を織った時代が
確実に日本にあった

私たちはそれを博物館やk銃火で見ることはできても
実の纏うというところまでは距離が長い

その距離を一挙にちぢめて
始めてのきものでデヴューがなんと全身蚕が吐いた状態の糸のきもの

生きているうちに身にまといたいなあ
コメント
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