チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

やはり桑の葉を吟味した蚕が吐く糸は美しい

2015年06月22日 14時31分15秒 | 日記
蚕の命を大切に大事にそして愛しんで育てているSさん
そこで貴重な蚕を17頭戴いて来た

Sさんは蚕に桑の葉を上げるとき
上から6枚ずつ中心は遺して6枚ずつを静かに上げる
其のはを蚕は静かに食む

もちろん無農薬無肥料だ
日本は蚕のお陰で近代国家を打ち立てた国なので
蚕も産めよ増やせよと富国強兵の道具にさせられた

そのため在来の種は落花生のような形をしてくびれた繭を造るが
糸の量を増やすために交配を繰り返した繭は寸胴だ
蚕を太らせすぎて頭が重くなり
8の字を描いて繭を造る事は変わりないが
きゅっとくびれるほどの運動量は臨めないらしい
冗談のようだがあり得る

その代わり絲の料はくびれの繭の倍近くになる
当然糸の艶やしなやかさはかなり劣る
それでも寸胴の繭は機械にかけやすいので
国を挙げて交配にうつつを抜かしたのだ

そのためには桑の葉も大きくなくてはならない
それで根っこに肥料を与えることにした
其の肥料が年々化学肥料になって居ることが哀しい

桑も蚕も人間の手によって人間に都合が良いように改良された

そうするとパサバサ考え無しに桑の葉を与えていれば
当然絲質も悪くなる
しかし機械にかけると云うことを考えれば其れも仕方がない

Sさんの育てた蚕の糸の美しさを識ったらもうそこから離れられないチャコちゃん先生
コメント
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