一昨日の初釜には「雪持ち笹」の模様の色留めを着て行った
今朝チャ子ちゃん先生のFBの扉にあげている
この留め袖の模様は、図うずうしくも「皇女和宮さま」の打掛の模様からの写し、速く言えばパクったのだ
芝の増上寺にまだ和宮様の遺品が保管されている時、私は取材に赴き、遺品の数々を見せていただいた。学芸員の方がとても親切で一日がかりで打掛などのきもの、小物の数々、手紙などを鑑賞させてくださった
その中で一目ぼれしたのがこの「雪持ち笹」の打掛、その時はカメラマンと一緒ではなかったんで、後日撮影の許可を頂き、様々撮影して、当時のチャ子ちゃん先生ん仕事場だった「きものサロン」の誌上に発表をさせていただいた
その後小田急デパートで「皇女和宮展」をするという案内を学芸員の方にいただき、件の打掛も出るのかと確認したら「勿論」という答え
喜び勇んで初日に行き、再度当時の竺仙の社長に連絡をとり、職人さんを選んでいただいて一緒にその打掛を鑑賞。そのころはガラスの中に収めているのではなく、現物をそのまま眺めることが出来たので、職人さんは大喜び
私の魂胆は「パクリ」にあるので「良く見てよね」と職人さんに念をおし、社長が「比佐子さんはこうと決めたらしつこいのでね、よろしくね」と苦笑していた
学芸員さんにそっくりそのままではないけど、この打掛を参考に私の色留めを作りたいと申し入れ、快諾を頂き制作に取り掛かった
「生地は絶対繻子よ、刺繍はいらない、すべて染の表現」偉そうに指図する
裏は胴裏は淡い藤紅、八掛は強い紫に金で笹を手描きする、仕立ては袖の丸みを三寸、裾の𧘱には真綿を入れる、そうだ袖口もとうるさいことうるさいこと
竺仙の社長は「また始まった」みたいに苦笑しながらも全てを受け入れて、職人さんたちに指図してくださった
「比佐子さん紋はどうするの?」
「うー-ん」
「家紋だけじゃあ物足りないね」
「そうだ、家紋の周りを雪持ち笹で囲むというのは?」
「五つ紋すべて?」
「ええすべて」
と出来上がった大好きな色留め袖、40年も前になる