海外に行って戻ってきた人の中では二通りの日本観がある
「日本って本当に素晴らしい国だとわかった、私は日本のことをもっと知りたい」
「日本の常識は世界の非常識、このままだと日本は消える」
二つの意見はともに正解
留学生たちの間に前者が多く
仕事バリバリやっている人の感想に後者が多くいる
留学生たちは「文化」を基準にしている
仕事バリバリは「経済」というよりいかに稼ぎ自分がのし上がっていくかという軸足だ
のし上がっていく先には何があるのか?ということが今問われているのだが、バリバリ組はそんな先など見ていない。そういう人たちは、駆け抜けるスピードを緩めるつもりはないらしい
「最近の若い人たちは覇気がなくてね」と繰り言を言っている。一緒に駆け抜けてほしい仲間はなかなか集まらない
かけ上がる人が必ずしも順風ではない、逆風が吹くからこそ向かっていけるのだろう
しかし日本の経済は駆け上がる人には必ずしも順風ではない
稼げば稼ぐほどに稼ぎは国にもっていかれる仕組みになっているのだ。そこをかいくぐって頂点に立とうと思ったら、きな臭いことにも手を染めなければならない
海外で学んだ留学生たちが、日本に何があるのか?と考えた時「文化」という回答が得られたとしたら、日本の家庭教育がまだまだ存在しているということであろうか
戦後の混乱期、高度成長期、バブル期、日本混迷期と過ごした身としては、「プロ」の存在こそが、日本を強くする根源になることを見てきた。
「職人」という言葉が今や死語になっているが、何かに秀でた腕を持つ職人がいる国が最後は栄えていく、モノを作り出すということが基本だが、そういう人は自分が駆け上がらなくても、人の信頼の上で高みに出る
競争とか競うという時代は苦しさを増すだけ、縄文時代のような「ワンネス」を経験した日本だからこそ、日本の常識こそが世界を平和にすると思う