「比佐子つれづれ」では今年は「時代を色で感じる」というテーマでみんなで勉強をしている
縄文から始まったこの講義も今日は江戸時代に入った
江戸は世界でも珍しいほど「循環社会」であり「色」の美しい時代であったと思う
江戸は4期に分けられる、初期、中期、後期、終末。これをチャ子ちゃん先生は慶長小袖、寛文小袖、元禄小袖、文化文政小袖として、模様の好み、色の配色などでその時代を見ていくと、そこにどんな人たちが暮らしていたのかがわかって面白い
日本史は男の目から見た歴史として、どちらかといえば「争い」を中心にとらえていることが多い。争いでなければ「色街」の様子が細やかに伝えられている
これを女目線で「衣」から見ると、また違った日本が見えてくる
女たちの「衣」を作る手は「男の感性」が大いに見えるのだが、そこに「オンナを美しくしたい」という気持ちが出ているのではなく、「自分はこういうものを女に着せたい」という気持ちの方が強い。だからこそ衣装は面白い
着たい衣装と着せたい衣装のはざまに商人がいて、そこにそろばんが介在、作る方はここまでやりたい、しかしそれではあまりにも高価になる、着る人の顔を商人は思い浮かべるけど、相手探しに苦労する。ただしこの相手探しにも商人の感というのがあり、その感が見事当たるまでには、かなりの人間観察が必要だ
そのために着物業界のみならず、商人教育に「丁稚奉公」という習慣があった
現場で色々と商法を身に着けていく、現在のまーけっちんぐだ
マーケッターや経営コンサルタントという近代職業があるが、丁稚奉公にはかなわない感じがする
丁稚奉公で鍛えられた商人は足が地についていて、常に相手の心を読み解くのが敏感だ
そして何をこの世に残していくべきかも察知できている
ふわふわした時代はもう少しで消えていく、色を見ていると時代がわかる