中野裕弓さんが今から20年くらい前に出した本に「愛のコーヒーカップ」というのがある
自分を責めたり、人のことばかりを優先したりするより先に
まず自分自身に愛を注ぐことを進めている内容だ
当時は「まず自分のことより人の幸せを優先、という考えが強くて、そんなこと自分勝手だ、とか自己中だとかの批判もあった
しかしよくよく考えれば自分自身を愛せない人がどうして他人をいつくしむことができるだろうか
中野裕弓さんによると、彼女は外資系の銀行の人事課にいて、人の様々な相談を受けていた、のちに世界銀行の人事コンサルタントしてヘッドハンテイングされその手腕を発揮するのだが、その基本だったのが「愛のコーヒーカップ」論だった
ある日彼女の元に「膝が痛くどの病院に行っても原因がわからない」という女性が現れ、じっくり彼女の話を聞いていると、家族のため、会社のため、友人のため、知人のためと自分のことは常に後回しという生活をしていることがわかり、そこでひらめいたのが「愛のコーヒーカップ」
二人でコーヒーを飲んでいる、彼女は相手のコーヒーの空き具合だけが気になっている、会話が弾まないのはコーヒーを注ぐタイミングが悪いのだと自分を責めている、そうやって自分のどこが気に入らないのだろうか、と自分のいたらなさばかりを責めははじめる、そうするとますます暗くなり会話は途切れる
そういう彼女の姿を解決するには自分自身のコーヒーカップにコーヒーを注ぎ自分を満たした余裕で相手と話をすると、相手も楽しくなりそこに愛が生まれる
このような話を相談に来た女性に語ったところ、みるみる顔が明るくなり、しばらくしたら自信のある穏やかな顔を見せるようになって、ひざの痛みも消えたという報告があった
一番大切にしなければいけない自分自身をないがしろにすることで、自分自身が悲鳴を上げている状態だったのだ
ひたすらコーヒーをカップに注いでいるとあら不思議下にセンサーが伸びてあらゆる人のそのコーヒーが運ばれていく
自分を愛で満たすことがすべての平和の基礎