昨日は「墨流し」の染織工房「高孝」さんへ取材対談に行く
墨流しの流行の先陣を切ったのが高橋孝之さん「高孝」の主宰
この墨流しの技法は太古の昔からあり、正倉院御物の中にも時々見ることが出来る。それは和紙に染めるのがもともとの習わしであった
本家は越前墨流し
着物が最も売れた昭和30年後半から40年代にかけて、着物の産地ではいろんな染織の技法が考案された。その中の一つに「絹に墨流しをする」という技法だ
高橋さんは18歳の時その墨流しの布を見るチャンスがあり「やってみたい」と思った
その頃は師匠が手とり足取り教えるという習慣はなく、何しろ見て覚えるしかない、ましてこの「墨流し技法は」どうやるのか皆目見当がつかない。そこで染めた布を買い取り古い文献で研究したり、また西洋の絵画にある手法を見たりして自分流墨流しを考案しつつ進歩させながら今日がある
始めてチャ子ちゃん先生が墨流しの現場を取材したのが30年も前になるが、
その時反物の長さの(約13メートル)水槽に、片手をポケットの突っ込んで
染料を水面にぽたぽたこぼしていく高橋さんの姿に
「なーーんだ遊んでるんだ」
こんな楽しい染色方法を編み出して面白い人だなと思った
更に染料をというより顔料だが、その上に3秒布を浸すと布に先ほどのぽたぽた遊んだ模様が映る
「ひゃーー」
と驚いてこれは著書「十二か月のきもの」にその時の様子を書き留めた
さて
今回はその水槽に初めから糊を溶かしておくという手法に変わり、更にぽとぽが複雑になって、より不思議な模様をが染めえ上がる。その様子を見ていて、長襦袢を染めていただくことに、調子に乗って、ここに紫とかこの場面に黄色とか口出しして「この世に一枚」を染め上げていただいた
高橋さんは、道具もすべて自前作り、いつも前を向いて様々工夫をしながらキラキラ目を輝かせて仕事に取り組んでいらっしゃる。楽しくないことはやらないという江戸っ子気質が作品に現れている
一月28,29,30日に作品展と体験会を工房で開く
詳しくはHPで来年早々ご案内
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