はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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次の一手を考える

2015-04-23 22:52:51 | 鍼灸
人の身体にはたくさんのツボがあります。
私達鍼灸師はそのツボを用いて、様々な症状に対応しています。

例えば腰痛を改善するために用いるツボはいろいろあります。
全身にいくつもの経絡(ツボの通り道)が通っていて、各ルートは必ずどこかでつながっています。
極端な言い方をすれば、どのツボを用いても腰痛を改善させることができる、とも言えるのです。

たくさんある候補の中から、特に効果を出せるツボを探し出すのも、鍼灸師の楽しみの一つ。

私はその醍醐味を、師匠のところで学んでいた3年間の中で知りました。そして今は日々の臨床の中で味わっています。

師匠は数十年臨床経験を重ねられながら、日々学びを繰り返されています。より効果を出せるツボ、より効かせられる方法などを編み出し続けられています。
私はその姿勢と志の高さに感動し、自分もそのようになりたいと憧れるようになりました。


師匠はよく、常に次の一手を考えることが大切だとおっしゃいます。

ある人に劇的に効果が出たツボが、他の人にも同じように効果があるとは限りません。
また、前回効果があった方法を続けて試しても同じように効果が出ると決まっているわけでもありません。

患者さんの状態を把握しつつ、身体に現れている反応点を見つけ出し、適切な刺激を与える。
けして一つのやり方だけにこだわりすぎないように、その瞬間に直感したやり方を試すことも大切。
はっきりとした効果が出ない時は、上記のことを念頭において、次の一手を考え続けます。

患者さんの体質や症状によって刺激量の上限が異なるので、それをしっかり見極めつつ、最善を尽くせるように心がけています。
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