はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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冬から春へ、季節の変わり目の養生

2018-02-26 23:49:57 | 養生
"春は生じ、夏は長じ、秋は収し、冬は蔵する"

東洋医学では季節によって「気」の働き方に違いがあると考えています。

冬は気を蔵する季節です。
活発に活動するよりも、静かに気を蓄えて来たる春に備える時期と考えます。
また冬は「腎」と関係が深く、温かい飲み物を飲んだり、身体を温める食材を食べたり、寒さを防ぐために温かい衣類で防寒対策を行うことで、腎が養われ、快適に冬を過ごすことができます。

春は気を生じる季節です。
日に日に暖かくなり、あらゆる生命が活動し始める季節です。
草木が芽吹いたり、冬眠していた動物が眠りから覚めたりするように、人の身体の中の気も少しずつ動き始めます。
また春は「肝」と関係が深く、寒さから解放されて気の働きが伸びやかになるので、気持ちの良い気候の日には散歩をしたりすることでさらに気の巡りが良くなり、心身ともにのびのびと元気に過ごせるようになります。

「肝」は血の貯蔵庫ともいわれ、血とともに身体中に栄養を巡らせ、不要なものを取り除く働きがあります。
「肝」がうまく機能していると、体のすみずみまで気と血が行き渡り、脳の働きを活発にし、情緒を安定させます。
反対に「肝」の機能が弱まると、気血の巡りが滞り、首や肩のこり・めまい・不眠・情緒不安定でイライラするなどの様々な症状が起こりやすくなります。女性の場合は、月経不順や生理痛が普段以上に強く現れることもあります。


春は環境の変化も多いので、気づかないうちにストレスも溜まりがちです。
今は冬から春へと移り変わる時期。患者さんの中にも切り替えがうまくいかずにストレスを溜めやすくなっている方も見受けられます。

やる気も出てきていろんなことにも挑戦したくなりますが、急がば回れ。
活動する前には深呼吸をし、焦らず少しずつ活動量を増やしていきましょう。
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