東海大教授らデ-タ分析 脂肪値高い方が低い
コレステロ-ルや中性脂肪の値が高い人の方が脳卒中を起こしにくく、発症した場合も状態が良いとのデ-タを、大櫛陽一東海大教授らがまとめ、24日までに日本脂質栄養学会誌に発表した。同教授らはこれまでにも、これらの値が低いほど死亡率が高いなどの研究結果を発表。「(悪玉とされる)LDLコレステロ-ルも中性脂肪も実は善玉なのに、リスクが強調され、無駄な治療がなされている」と問題視している。同教授らは、脳卒中患者のデ-タベ-スに登録されてた男性約2万8千人、女性約2万人のデ-タと、福島県郡山市の一般住民のデ-タを比較。計約4万8千人のうち、脳梗塞を起こした患者を見ると、高脂血症でない人と高脂血症を治療している人との比率が一般住民より高く、高脂血症(未治療)の人の割合は低かった。年齢や性別の影響を除いて解析したところ、高脂血症(未治療)の人の脳梗塞発症リスクは、高脂血症でない人の約4分の1にとどまり、未治療の人の4・6倍だった。脳内出血、くも膜下出血でも脳梗塞と同様に、高脂血症(未治療)の人の発症リスクが低く、治療している人のリスクが高かった。また、脳卒中患者のうち入院前に高脂血症の治療を受けていなかった約3万6千人を対象に、高脂血症の有無で2群に分けて入退院時の臨床状態を3種類の指標を用いて比較。この結果、高脂血症の人の方がいずれの指標も良かった。