国内初、大阪大 電極で網膜に刺激 脳に伝達
失明した患者の眼球に網膜を刺激する電極わつけ、光の動きを追えるまでに視覚を回復させたと大阪大大学院医学部系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚教授が明らかにした。国内で初めての成功で、網膜色素変性症など視力が失われる病気の患者に朗報になりそうだ。 不二門教授は「色の識別はできず、まだ白黒でしか認識できないが、2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内につえがなくても歩けるようになるかもしれない」と話している。大阪大チ-ムは、10年以上前に失明した網膜色素変性症の兵庫県の女性(72)に4月、千葉県の女性(67)に7月、それぞれ眼球の網膜の外側にある強膜に49の電極が付いた白金製のチップ(約7㍉四方)を埋め込み、眼球内にも約1㍉の電極を一つ装着した。女性の額に取り付けた電荷結合素子(CCD)カメラでとらえた映像を、体外のコンピュ-タ-で白黒映像に変換。この映像情報を、こめかみに埋め込んだ小型装置に無線送信し、装置につながったチップで、網膜に電気刺激を与える仕組み。刺激は視神経を通って脳に伝わり、視覚化。2人ともパソコン画面の光を指で追えたという。2005年と08年にも4人に、チップを手術中のわずかな時間だけ装着し、効果を確認。今回は約1ヵ月間装着し、効果や安全性を調べた。千葉の女性は網膜の神経が活発に働くようになり、チップを外した後も、ろうそくの光が見えるという。